1991年にアトランティック・レコードからデビューした、英国のブルーズ・ハード・ロック・バンドKISS OF THE GYPSYのシンガー、トニー・ミッチェル(Tony Mitchell)が新バンドDIRTY WHITE BOYZを結成、ファースト・アルバム「Down and Dirty」をリリースした。このバンドは、トニーのソロ・アルバム用デモに興味を示した英国のレーベルEscape Musicが、トニーにメンバーを紹介する形で結成されている。よって、バンドには、ポール・ヒューム(Gt、LIFELINE、CHANGE OF HEART)、ナイジェル・ベイリー(Ba、LIFELINE)、ニール・オクデン(Drs、DEMON)といったEscape Musicに関係の深いメンバーが名前を連ねている。

バンドの成り立ちから、これがパーマネントなバンドなのか、プロジェクトなのかは微妙であるが、KISS OF THE GYPSYを彷彿とさせるブルーズ・ロック”Dynamite“、”All In The Name of Rock n’ Roll“、”Bring It On“、’80’s HRを思い起こさせるメロディック・ハード・ロックの“All She Wants”、”Hanging on the Heartache”、”Sanctuary”、まるでBon Jovi?と勘違いしそうなアコースティック・バラード”Ride with Angels“、AORスタイルの”Rise“等、シンガー、トニー・ミッチェルの魅力が集約されたアルバムである事は間違いない。

メジャー・レーベルから世界デビューを果たしたKISS OF THE GYPSY以降は、コマーシャル・ヒットには縁がなかったトニーだが、その才能を武器に、アリス・クーパー、ジョン・アンダーソンといった大物ミュージシャンのサポート・メンバーを務めたり、様々なバンド、プロジェクトで活動を続けてきており、本作でも、長年のブランクから復活というより、円熟味を感じさせる味わいある歌声を聞かせてくれている。

Down and Dirty

1. All She Wrote、2. Dynamite、3. Hanging On A Heartache、4. Ride With Angels、5. Playing Dirty、6. Rise、7. Waiting For This Feeling、8. Sanctuary、9. Hell To Pay、10. All In The Name Of Rock & Roll、11. After The Rain、12. Bring It On、13. The First Time(Bonus Track for Japan)

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