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日本で最も成功したヘヴィメタルバンドといえば、ラウドネスをおいてほかにないだろう。アイドルバンドだった前身のレイジーから高崎晃〈g〉、樋口宗孝〈ds〉が中心となり、二井原実〈vo〉、山下昌良〈b〉を加える形で結成。しかしこの四人の形は長くつづかなかった。

全米進出も果たす順調な活動の中、1988年に二井原実が脱退。後任にはアメリカ人シンガーのマイク・ヴェセーラを加入させてファンをおどろかせた。そうして制作されたアルバム『ソルジャー・オブ・フォーチュン』は音楽的にはたしかに新しいレベルに到達していたが、マイク・ヴェセーラもほどなく脱退。その後、山下もバンドを去ることになる。

90年代になると、高崎と樋口に加え、ベースに元エックスの沢田泰司、ヴォーカルに元フラットバッカーの山田雅樹を迎え、方向性もがらりと変えることになる。山田のねちっこい歌唱を生かしたヘヴィな楽曲は賛否両論を巻き起こした。

さらに主要メンバーであった樋口が脱退し、オリジナルメンバーが高崎一人となったラウドネスは、山田と同じく元フラットバッカーの本間大嗣をドラマーとして加入させる。この四人でインド三部作とも呼ばれる時期に入るが、むしろ高崎のギター演奏の変化がバンドの色を違ったものにしていった。

2000年代に入るとオリジナルメンバーでの再結成が宣言される。期待されたアルバム『スピリチュアル・カヌー』は80年代の音楽性と90年代の音楽性のいいところどりで、好評を持ってファンに迎えられる。

ここから順調に四人での活動がつづいていくが、2008年には樋口宗孝の病死という不幸に見舞われる。後任には札幌のスラッシュメタルバンドのニガロボで活動し、当時サーベル・タイガーに加入したばかりであった鈴木政行が引き抜きのような形で加入した。

結成当初からメンバーでいつづけたのは高崎一人になってしまったが、いまだにコンスタントにアルバムを発表、ライブも頻繁に出演するなど精力的な活動をおこなっている。