SUNSTORMとして4作目のアルバム「Edge of Tomorrow」
ジョー・リン・ターナー(Joe Lynn Turner)が率いる、メロディック・ハードロック・バンドSUNSTORMが、4年ぶり4作目となるアルバム「Edge of Tomorrow」をリリースした。SUNSTORMは、ジョーが80年代にセカンド・ソロ・アルバム用に準備した曲を世に出すべく、フロンティア・レコーズのセラフィノ・ペルジーノが仕掛人となったプロジェクトだが、PINK CREAM69のメンバー等とレコーディングしたファースト・アルバムが好評だった事から、継続的にアルバムを制作している。ジョー自身は、この間もソロ活動やカーマイン・アピス、トニー・フランクリン等とのRATED Xのアルバムをリリースしてきているが、SUNSTORMは掛け持ちプロジェクトとは思えないクオリティのアルバムを毎回リリースしており、本作もまた、素晴らしい出来栄えだ。
ジョー・リン・ターナー健在!を証明する歌声
ジョーが素晴らしいソングライターであり、シンガーである事は疑いない事であるが、いつまでもRAINBOW、リッチー・ブラックモアに固執している印象がぬぐえず、ソロ・キャリアの弊害になっている部分もある。リッチー抜きでも素晴らしい音楽を作り続けているにも関わらず、作品が今ひとつ評価されないのは、ライヴで自分の曲よりも、RAINBOWナンバーを連発する本人のスタンスにも原因があるだろう。ファンにとっては複雑な気分だ。
本作は、RAINBOW脱退後のジョーが目指していたメロディアス・ハードロックを追求した作品で、HARDLINE、RATED Xのアレッサンドロ・デル・ヴェッキオを新たに迎えてソング・ライティングを行い、これまでよりもハードさを押し出しつつ、メロディも強力で、ジョーのヴォーカルが躍動している。バラード・ナンバー'Angel Eyes'でのエモーショナルなヴォーカルは見事というほか無く、ジョーの健在ぶりを証明するアルバムだ。