8月26日シングル「ミカヅキ」でメジャーデビューを果たした福岡出身のシンガーソングライター「酸欠少女さユり」。
およそ二年ぶりの故郷に彼女はトレードマークのポンチョと素足で現れた。挨拶をすると始まりの電子音とともに「ふうせん」が始まった。成長したさユり、そして変わらない彼女らしさを実感できる一曲で観客を弾きこむ。
二曲目には「ミカヅキ」。自身が嫌いで引きこもっていた時のどうしようもなさを表現したというさユり。この曲でデビューということもあり観客も注目する中「負けたくない」と歌う彼女の姿は堂々としていた。震える声、表情全体を使って「ミカヅキ」という一つの作品を会場で創り上げた。曲を終えると「一人一人と目を合わせたい」と話すさユりは笑っていた。
続いてポップで可愛らしい「ちよこれいと」で一気にハイテンションへ。それまでの圧倒的存在感をがらりと変え、年頃の少女らしい、そして酸欠少女の個性が光る一曲だ。鍵盤サポートメンバーの藤井洋がガスマスクで茶目っ気たっぷりに煽るのも雰囲気を盛り上げる。
そして「あなたがあたたかい朝を迎えられますように」というさユりの0願いを受け始まる「夜明けの詩」。まるで叫ぶように最後の演奏を全力で行う。一瞬に感じるような四曲の演奏を終えた。
さユりはギターとほとんど変わらない程の小柄でとことことステージを去る。しかし、彼女は圧倒的な存在感を魅せつける、生きた歌声のライブを残し故郷を再び後にした。