ここ日本でもエクストリームな音楽のバンドが増えている中、ライブハウスにはその魅力を伝える音響機材やPA技術者、何よりそうしたジャンルを受け入れ、かつ広める土壌となることが求められている。
関西のシーンにおいては、10回目を迎えたイベント「音塊」をはじめとして、ブルータルなデスメタルやハードコアの現場においての観客のモッシュの激しさが東京以上であるともよく言われる。そしてもちろんバンド側も、そうした観客を満足させなければならないため、強力な音楽を作り上げていくという好循環がある。
「音塊」の会場ともなっている大阪心斎橋の火影(HOKAGE)はそうした音楽の総本山と言っていいだろう。同じビルに系列店の新神楽もあり、両会場を使用したサーキットイベントでは多くのバンドを出演させることもできる。さらに火影がエクストリームな音楽に適している点として、ステージの段差のないことが挙げられる。客席と一体になったフロアで、時にはもみくちゃになりながら奏でられる大音量には、ボリューム以上の迫力が宿る。
同じ大阪ではKING COBRAや、老舗として長く続く難波のBEARSとROCKETSなどにもエクストリームなバンドがたびたび出演している。
京都には音楽スタジオも併設するSOCRATESがある。特にハードコアに強く、東京からのツアーバンドはもちろん、西は四国や九州からのバンドも多く出演する。京都からはyarmulke をはじめとして、激情ハードコアと呼ばれる音楽性の良バンドが数多く発信されてきた。