2016/1/29二子玉川KIWA(東京)
普段のNeo-Zonkのライヴは、大沼あい、長﨑祥子のツイン・キーボードに、ドラマーがサポートで加わるトリオ編成で行われるが、今回のライヴは、おなじみのサポート・メンバー、鎌田紘輔(Dr)に加えて、ヴァイオリンのAyasaが加わった4人のSpecial Liveとして行われた。ライヴの当日の東京はかなり気温が下がり、荒れ模様の天気だったが、会場のKIWAは満席の観客で埋め尽くされていた。
場内にアルバム「Luminous」のオープニングPrelude – luminous hope –が流れ、大沼、長﨑、鎌田の3人が登場し、まずは、通常のトリオ編成でライヴはスタートした。1曲目はMirageだ。流れるようなリズムとスリリングな展開の曲で、いきなりNeo-Zonkワールドが全開になる。あいさつ代わりの激しいソロが展開もあり、1曲目からいきなりドラム・ソロまで行われた。キャッチーなアルバム・オープニングが再現された昨年11月のレコ発ライヴとは違い、Neo-Zonkのマニアックな面が最初から飛び出した印象だ。
続くEclipseは、何拍子なのか数える事も難しい複雑なリズムの中に印象的なメロディ・ラインが挟み込まれた曲だ。頭から連続してアルバム未収録曲が続く構成も珍しい気もしたが、ファンにはお馴染みの曲であるし、この演奏を生で体験すれば、曲を知っているか否かは関係なく、どんどん引き込まれていくのがNeo-Zonkのライヴだ。ファンキーなリズムに乗ってメンバー紹介を交えたMCが入り、そのまま、アルバム収録のU.T. – a hole in danger –へと続く。アルバムで聴きなれている事もあり、前の2曲と比べてるとノリやすい曲だ。実際Neo-Zonkの中ではキャッチー部類に入る曲だが、途中の展開はやはり激しい。曲の最初は軽く身体でリズムを刻みながら聴いていたのが、気が付けばステージ上の演奏を食い入るように見つめていた自分に気がついた。
冒頭の3曲で十分会場が温まったところで、ゲストのAyasaが登場。ここからは4人編成でのライヴとなり、ヴァイオリンが美しいメロディを奏でるWhen you wait for someone in the rainが始まる。優しいメロディが一転して、グルーヴの効いたベース・ライン上をキーボード・ソロが駆け巡り、またヴァイオリンのメロディに戻っていく。静と動のコントラストが美しい。
続く、Luminous – crepuscular rays –、into the green worldはアルバムからの曲で、構成はオリジナルのトリオ演奏と変わらないが、主旋律にヴァイオリンの音色が加わることによって、より音像が豊かになっていた印象だ。ドラム以外、ヴァイオリンを含めて全ての音をキーボードのサンプリングで作り上げていくのがNeo-Zonkのスタイルであり、音楽的な魅力なのは間違いないが、こうして生のヴァイオリンと重ね合わせて聴くことにより、曲に別の魅力が引き出されているのが感じられた。into the green worldはオリジナルでは10分弱だが、ライヴではソロの展開で17分ほどに引き延ばされる。それでも終わりに近づくと「もっと続いて欲しい!」と思えるほどに素晴らしい曲だ。
この後少し長めのMCがあり、音楽の緊張感とは正反対の温かい雰囲気のMCが、張り詰めた緊張感を和らげてくれた。それ程に、密度の濃い演奏が続いていた。開演から1時間半経過で、ここでライヴが終わっても十分満足な内容だが、実際にはここからもう一山ある。壮大なアレンジのPrologue – flow of time- ~Flow of timeの流れがアルバム通りに再現されていく。
次に演奏されたPraying by the seaは、静かで素朴な雰囲気のアレンジで、これまでの曲と違い、不意を突く様な激しい展開は無い。静かで美しいメロディがひたすら続いていく。テクニカルでスリリングな曲だけではなく、別のNeo-Zonkを堪能できる曲だ。Praying by the seaが静かに終わり、MCに続いて、本編ラストはDisorder – out of the cosmos –だ。静と動が激しく移り変わるNeo-Zonkの魅力が凝縮された名曲でライヴ本編は幕を閉じた。大きな拍手に導かれて再びステージに4人が登場しアンコールでAirが演奏され、Neo-ZonkのSpecial Liveは終了した。
気づけば2時間30分、全11曲という内容のライヴは、20時開演のライヴだったので帰りの足を気にしなければならない時間になっていた。Neo-Zonkのライヴは全く出し惜しみが無く、聴きたい音楽を聴きたいだけプレイしてくれるので、ステージ上の演奏に夢中になっているうちに、時間が経つのも忘れてしまう。この夜も、前回のレコ発ワンマン同様に、十分にNeo-Zonkの演奏を堪能するとともに、ヴァイオリンのAyasaが加わった事で、アルバムで聴きなれた曲も、オリジナルとは違う魅力を味わう事ができたライヴだった。
Neo-Zonk Special Live set list 2016/1/29
(Trio)1. Mirage、2. Eclipse、3. U.T. – a hole in danger –
(with Ayasa) 4. When you wait for someone in the rain、5. Luminous – crepuscular rays -、6. into the green world、7. Prologue – flow of time-、8. Flow of time、9. Praying by the sea、10. Disorder – out of the cosmos -、encore:Air
Neo-Zonk Live Information
2月はNeo-Zonkとしてのライヴ活動は無かったが、3月~4月にかけて、ライヴ・スケジュールがアナウンスされている。通常のトリオでのライヴに加えて、4月のワンマンではギタリストのISAOを迎えたSpecial Liveが行われる予定になっている。オリジナルではギターの音色はあまり使っていない印象があるが、ISAOを迎えてNeo-Zonkの曲がどんな変化を見せてくれるか?このライヴも要チェックだ。
3月23日 吉祥寺シルバーエレファント 詳細 silver-elephant.com
「Progressive Live」
open 19:00/start 19:30 前売 2,800円/当日 3,000円
3月27日 渋谷ギルティ 詳細 www.guilty.ne.jp
「LONO Prsent`s 春春ハニーボーンナイト」
open 18:00/start 18:30 前売 3,000円
4月15日 ワンマン 吉祥寺シルバーエレファント 詳細 silver-elephant.com
「Neo-Zonk Special Live」 Special Guest:ISAO
open 19:00/start 19:30 前売 3,500円/当日 4,000円