月が似合う歌手はブログの歌姫
柴田淳は、1976年東京都出身のシンガーソングライターである。幼い頃からピアノの英才教育を受け、高校時代に音楽の道へ進むことを決意する。2001年「ぼくの味方」でメジャーデビューを果たす。現在までに18枚のシングル、10枚のオリジナルアルバムをリリースしている。デビュー当時からインターネットを活用し、自身の心境をさらけ出すブログのスタイルから「ブログの歌姫」と称された。
シンガーソングライターとしてのライブ活動や楽曲提供、テレビ出演はもちろん、ナレーションやラジオパーソナリティーとしても活躍している。デビュー15周年記念の第一弾企画として、2015年11月25日にオールタイムリクエストベストアルバムが発売される。
透き通った切なくも美しい歌声
柴田淳の一番の魅力は、透き通った切なくも美しい歌声である。彼女ほど切ない歌声を持った歌手はいない。また、柴田淳の歌詞はとにかく暗い。それもただの暗さではなく、救いようのない暗さである。2003年リリースの「隣の部屋」や「あなたとの日々」は恋愛の辛さ、切なさを見事に表現している。自身の愛されたいという欲求や、不安定な時の精神状態が歌詞に表現されるタイプだからこそ、説得力が生まれ、聴き手が共感するのだと思う。
毎日明るい応援ソングやハッピーなラブソングばかりを聴いていると疲れてしまう。そんな時に柴田淳の歌を聴くと、どこかホッとするのである。陰と陽は時に太陽と月に例えられるが、柴田淳は間違いなく月である。だからこそ、彼女には月が似合うのである。