ポルトガル出身のパワー・メタル・バンド、ATTICK DEMONS(アティック・ディーモンズ)が、2011年のデビュー・アルバム「Atlantis」以来となるニュー・アルバム「Let’s Raise Hell(レッツ・レイズ・ヘル)」を2/15にリリースする。前作からドラマーのメンバーがあったが、バンドの音楽性は全く変わることは無く、王道パワー・メタルを貫き通している。
ATTICK DEMONSを語るとき、絶対に避けて通れないのがシンガー、アウトゥール・アルメイダのスタイルだ。誰もがブルース・ディッキンソンを思い浮かべるその声質、歌唱は前作以上に磨きがかかり、もはやブルースそのものと言っても過言ではない。デビュー・アルバムの音源が、IRON MAIDENの「Book of Souls」のアウトテイク音源と偽ってYouTubeに”流出”したという逸話も頷ける話だ。ドラムがツーバス主体であるし、ベーシストはオーソドックスなプレイ・スタイルなので、サウンド自体の印象は異なるものの、アルメイダのヴォーカルと随処で聴けるツイン・ギターのプレイは、やはりIRON MAIDENを思い起こさせる。
これだけでは、単なるIRON MAIDENのモノマネ・バンドと思われてしまいかねないが、決してそうではない。ファースト・シングルの”Ghost“がメイデン風の仕上がりになっている点からは、バンドもアピール・ポイントを心得ている様だが、アルバム全体を通した作風はNWOBHMというよりはヨーロピアン・パワー・メタルで、オープニングのスピード・チューン”The Circle of Light“を聴けば、そのスタイルを分かっていただけるだろう。ドラマチックな長尺曲“Dark Angel”、”Endless Game”をはじめ、各曲ともメロディ、アレンジ共に、かなり練りこまれており、聴きごたえのあるパワー・メタル・アルバムに仕上がっている。