エディ・ジョブソン(UK)、マーク・ボニーラ(KEITH EMERSON BAND)が、かつて活動を共にしたジョン・ウェットン、キース・エマーソンを追悼する為の「Fallen Angels Tour」が、この4月から5月にかけて、イギリス、オランダ、カナダ、アメリカで行われた。ツアーの模様は公式には映像、音源は公開されていないが、ファン撮影の動画の一部はネット上で見る事ができる。

ライヴは、エディ、マークの2名で行われ、エディがキーボードとバイオリン、マークがアコースティック・ギター、ヴォーカルをプレイする形式で行なわれている。マークの足元にはベース・ペダルも置かれている。曲目は、UK、EMERSON , LAKE & PALMER(ELP)を中心にKING CRIMSON、KEITH EMERSON BANDの代表曲が演奏されている。2人構成のライヴという事で、バラード・タイプ、スローな曲が多いが、UKのファーストからの”In the Dead of Night“~”By the Night of Day“の珍しいアコースティック・バージョンもプレイされている。ヴォーカルを担当するマークは、KEITH EMERSON BANDのライヴでELPの曲では、グレッグ・レイクがオリジナル・ヴォーカルの曲も見事に歌いこなしていたが、今回はウェットンのヴォーカル曲も、非常に良い雰囲気で歌い上げている。YouTubeの断片的なパフォーマンスを視聴した限りでの感想ではあるが、今のASIAでヴォーカルを担当しているビリー・シャーウッドよりも、マークの方がウェットンのヴォーカル曲は合っている印象を受ける。

このツアーは、ウェットン、エマーソンの2人を過去のバンド・メイトが追悼する趣旨ではあるが、ELPのグレッグ・レイク(Ba&Gt&Vo)が2016年12月、そしてUKに在籍していたアラン・ホールズワース(Gt)までが、本ツアー開始直前の2017年4月16日に亡くなってしまっており、彼らを追悼する思いも込められていたことだろう。その意味では、ホールズワースがアルバムでプレイした「UK(憂国の四士)」からの曲が、原曲がアコースティックでは再現し難いにも関わらず、セットリストに入っていたのは、ファンの立場からも有難い気持ちになる。この「Fallen Angels Tour」は5/8でいったん終了してしまっているが、エディの公式ファン・アカウントでは、アメリカ西海岸都市での追加の可能性も言及されている。

Fallen Angel Tourセットリスト

1st set: 1.Trilogy (ELP)、2.Starless and Bible Black (King Crimson)、3.Rendezvous 6:02(UK)、4.In the Dead of Night(UK)、5.By the Night of Day(UK)
2nd set:6.Nostalgia(Eddie Jobson)、7.Violin solo、8.Piano solo、9.Bitches Crystal(ELP)、10.Fallen Angel(King Crimson)、11.A Place to Hide(KEITH EMERSON BAND)、12.From the Beginning(ELP)、13.Carrying no Cross(UK)、encore: Lucky Man(ELP)
※セットリストは標準的なもので会場によって異なる可能性があります。

文:M.Furukawa

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