伝説のドニントンがついにオフィシャルで登場

1980年、伝説の第1回モンスターズ・オブ・ロックのヘッドライナーとして登場したRAINBOWの幻のライヴ・アルバム「Monsters of Rock Live at Donington 1980」が遂にオフィシャル・リリースで登場した。
コージー・パウエルのラスト・パフォーマンスとして有名なこのライヴは、30年以上の間、様々なブートレグとして流通していたものだ。そのマスター・テープが奇蹟的に発見され、リッチー・ブラックモア承諾の元で、今回正式にリリースされた。海外盤はCD1枚に編集されているが、日本盤は、カットされた部分も全て収録し、ディスク1が本編、ディスク2がアンコールという構成となっている。残念ながら"Love's No Friend"と"Man on the Silver Mountain(銀嶺の覇者)"は、マスター・テープが見つからなかった為、未収録だが、それ以外は、ライヴ前の"威風堂々"を含め全ての演奏がCDに収められている。

コージー・パウエル、グラハム・ボネットのRAINBOWラスト・ライヴ

正規音源だけあって、音質は当然素晴らしく、リッチーのプレイも非常にクリアだ。勿論、後からのオーバーダブやミスの修正は一切行われていないので、非常に生々しい演奏を聴く事ができる。このライヴがコージーのラスト・ライヴとなる事は、既にメンバーも認識しており、ドラム・ソロでの有名なグラハム・ボネットの感極まったコージー・パウエル連呼も聞ける。
バンドがポップな方向性にシフトした事を嫌い脱退を決めたコージーのラスト・プレイは、いつも以上に凄まじい。その、コージーへの惜別を込めてセットリストに加えられた"Stargazer"は、コージーのドラム、ロジャー・グローヴァーのベース、ドン・エイリーのキーボードをバックにした、リッチーの神がかったソロを聴くことができる。当時のブリティッシュ・ハードロックのヴォーカリストとしては、様々意味で異質であり、賛否を巻き起こしていたグラハム・ボネットのパフォーマンスも、今となっては彼独特のスタイルとして、楽しむ事ができる。元々ライヴでは歌の出来にムラがあるグラハムだが、大舞台であるこの日は、素晴らしい歌声を披露している。
ロニー・ジェイムス・ディオ時代のミュンヘン、ジョー・リン・ターナー時代の武道館ラスト・ライヴと並ぶ、RAINBOW屈指の名演だ。