スーパー・グループFLYING COLORSの最新ライヴ作品が登場

プログレッシヴ・ロックのスーパー・グループFLYING COLORSがライヴ作品「Second Flight:Live at the Z7」をリリースした。近年は特にプログレ系を中心に、アルバム、ツアー、ライヴ作品、というローテーションが一般化してきており、オリジナル・アルバムとライヴ作品が、ほぼ同数存在する事が珍しくなくなっている。本作も、FLYING COLORSのセカンド・アルバム「Second Nature(2014年)」に伴うツアーを収録したもので、ファースト・アルバムのツアー「Live in Europe(2013年)」に続く、2作目のライヴ作品となる。

本格的なパーマネント・バンドへの昇華を感じさせるライヴ

「Live in Europe」の時にはアルバムが1枚しかなかった為、DREAM THEATER、DIXIE DREGS、SPOCK’S BEARD等、各メンバーの別バンドの曲のカバーも演奏されていたが、本作は、ほぼFLYING COLORSのオリジナル曲で構成されている。イントロのOvertureから「Second Nature」のオープニング曲、12分を超える大作Open Up Your Eyesで幕を開ける。演奏能力には疑う余地がないメンバーの集まりなので、演奏のレベルが高いのは当然だ。それでも各メンバーの多忙度合いを考えれば、リハーサルに割ける期間は限られていると思われるが、そんな事は微塵も感じさせないバンドとしての完成度に驚かされる。
才能豊かなメンバーが集まり手探り状態で始めたバンドが、いわゆるプロジェクト・バンドではなく、本格的なパーマネント・バンドへの昇華を遂げたと感じられる作品だ。
第一印象では、特にベースのデイヴ・ラルー(Dave LaRue)のプレイが際立っている様に感じられる。勿論、デイヴの実力は折り紙付きだが、マイク・ポートノイ、スティーヴ・モーズといった人気、実力、知名度ともに超一流にミュージシャンに比べるとフロントに出るタイプとは言えない。本作においても基本は堅実なプレイで、間違ってもビリー・シーンの様なプレイはしないが、以前よりもベース・ラインが前に出てきた印象がある。この辺りの変化も、バンドの中での各メンバーの役割が定まってきた事に起因しているのかもしれない。

国内盤リリースと来日公演の実現が望まれる

TRANSATLANTICほど極端な大作指向はなく、コンパクトでキャッチーな曲もあり、更にDEEP PURPLEやDREAM THEATERといった超人気グループの(元)メンバーが在籍するFLYING COLORSだが、なぜかファースト・アルバム以降、国内盤のリリースが無い。本作も現時点では輸入盤のみとなっている。CDやDVDを鑑賞する分には輸入盤でも問題はないが、国内盤が出ない事には来日公演への敷居が更に高くなってしまうのが残念でならない。