アメリカン・プログレ界のマルチ・プレイヤーで、元SPOCK’S BEARD、現在はTRANSATLANTIC、FLYING COLORS等で活躍するニール・モーズ(Neal Morse)が、ソロ名義のライヴ作品「Morsefest 2015 ?(Question mark) and Sola Scriptura Live」をリリースした。ニールはソロ・バンドのTHE NEAL MORSE BANDとしても活動しているが、本作のソロ名義は、マイク・ポートノイ(Dr)、ランディ・ジョージ(Ba)、ビル・ヒューバー(Key)、エリック・ギレット(Gt)というバンドのメンバーに、管楽器、弦楽器、ダンサー等が加わり、よりシアトリカルでストーリー性のあるライヴを展開している。なお、本作では、THE NEAL MORSE BANDやTRANSATLANTICとしてリリースされた曲もプレイされている。

本作には、2015年9月にニールの活動拠点であるアメリカ、テネシー州にあるCross Plainsで行われたフェス「Morsefest 2015」での初日、2日目のライヴが収録されている。アルバムのタイトルにあるとおり、初日は「?(Question Mark、2005年)」2日目は「Sola Scriptura(2007年)」という2作のニールのソロ・コンセプト・アルバムの完全再現+αという選曲となっている。

ライヴのメインが、コンセプト・アルバムの再現という事で、歌詞の内容も非常に重要ではあるが、残念ながらニールのアルバムは、日本盤のリリースが無いものが多いので、歌詞の意味までは理解して聴くのは難しいかもしれない。それでも、独特の美しいメロディ、ハーモニー、そして、マイク・ポートノイを始めとする熟練プレイヤーのテクニカル且つエモーショナルなプレイだけでも十分にニール独特の世界に浸ることができる。

このライヴでは、アルバム・バージョンより、ハードさが増し、曲によっては、まるでDREAM THEATERのごときハイテクなプレイも聴くことができる。20分、30分を超える大作もあり、通して鑑賞するのは非常に集中力を必要とするが、逆に言えば、それだけ見ごたえ、聴きごたえのあるライヴ作品となっている。大御所系を除けば今の時代に、これだけ聴きごたえのあるアルバムを作り上げてくれるアーティストは、なかなか見つからないだろう。

今でも日本で絶大な人気のドラマー、マイク・ポートノイが全面参加しているにも関わらず、TRANSATLANTIC、FLYING COLORS、そしてニールのソロともに、日本では人気があるとは言えないのが残念だが、メロディアスでテクニカル、ヘヴィな要素が同居したサウンドは、日本人好みの音楽性ので、キチンとしたプロモーションがなされ、より多くのHR/HM、プログレ・ファンの耳に届くことになれば、正当な評価も得られることだろう。

Disc 1: Night 1 ? Live amd more
1.Intro、2.The Call、3.The Grand Experiment、4.Go the Way You Go、5.MacArthur Park、6.A Whole Nother Trip、7.New Jerusalem、8.Question Mark Intro、9.Temple of the Living God、10.Another World、11.The Outsider、12.Sweet Elation、13.In the Fire、14.Solid as the Sun、15.The Glory of the Lord、16.Outside Looking In、17.12、18.Entrance、19.Inside His Presence、20.Temple of the Living God Reprise

Disc2: Night 2 Sola Scriptura Live and more
1.Intro、2.The Door、3.The Conflict、4.Heaven in my Heart、5.The Conclusion、6.Waterfall、7.At the End of the Day、8.Wind At My Back、9. Whirlwind Medley、10.Thank yous、Behind Scene Documeentary

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