キース・エマーソン(Keith Emerson)、カール・パーマー(Carl Palmer)、ロバート・ベリー(Robert Berry)によるトリオ・プロジェクトの3(THREE)が1988年に行った北米ツアーからニューヨークの有名なクラブThe Ritzで行ったライヴを完全収録したライヴ・アルバム「Rockin’ the Ritz」がリリースされた。このバンドのライヴとしては、同ツアーからボストン公演を収録した「Live in Boston」がリリースされている。同じツアーからの音源なので、本作でも曲目はほぼ同じであるが、本作にはキース・エマーソンのソロ・アルバム「Murderock(1983年)」から“Dream Runner”が収録されているのがポイントだ。

three

3は、80年代に現れては消えた短命スーパー・グループの一つで、一枚のアルバム、一枚のツアーで終わっており、疑似ELP(エマーソン・レイク&パーマー)再結成の性質を持つバンドであるが、86年のEMERSON, LAKE & POWELLがライヴで70年代ELPの名曲を数多くプレイしていたのと対照的に、3では、唯一のオリジナル・アルバム「…to the Power of Three(邦題:スリー・トゥ・ザ・パワー、88年)」の曲が中心となっている。新しい曲で勝負したい、というバンドの意思の表れもあろうが、ELPの曲はオリジナルがカバー曲のインスト曲ばかりなので、グレッグ・レイクが書いた曲はプレイできないといった事情もあったのかもしれない。いずれにしても、今となっては貴重な音源には違いはない。蔵出し音源ではあるが音質も問題なく、貴重なライヴ音源としてファン必聴のアルバムだ

Rockin’ the Ritz / 3(THREE)

DISC 1:1. Fanfare For The Common Man、2. Desde La Vida、3. Lover To Lover、4. Band Introductions、5. Hoedown、6. You Do Or You Don’t、7. Talkin’ Bout、8. Dream Runner

Disc 2:1. Creole Dance、2. On My Way Home、3. Runaway、4. Standing In the Shadow Of Love、5. America/Rondo/Fuge in D Minor BMV 565、6. Eight Miles High

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