ジョン・ウェットンジェフ・ダウンズによるユニットICON(アイコン)が、再結成ASIAと並行して活動していた時期にロンドンの教会で行ったライヴを収録した「Urban Psalm Live(アーバン・サールム~ライヴ)」が2CD/DVDのスペシャル・パッケージで6/25にリリースされる。

本作の収録は2009年2月21日だが、その直前にICONは来日公演を行なっており、その来日公演は「Heat  of the Rising Sun」というタイトルで、CDがリリースされている。収録時期がほぼ同じという事で、重複した曲が多いが、本作には、ウェットン、ダウンズ、デイヴ・キルミンスター(Gt)、ピート・ライリー(Drs)に加えて、ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA(ELO)のヒュー・マクドウェル(Cello)、女性ヴォーカルのアン・マリー・ヘルダーが参加しており、基本的なバンド・アレンジは同じながらも、通常のライヴとは少し趣の異なる演奏を聴かせてくれている。デュエット曲の美しいバラード”To Catch the Thief“が演奏されているのもポイントだ。

バンドのパフォーマンスが安定しているのは言うまでもない事だが、本作を聴いて感銘を受けるのは、ジョン・ウェットンのヴォーカルの素晴らしさだ。前述の日本公演のライヴは、福岡、大阪、東京のツアーで1晩2ステージ制だった事もあるのだろうか、ヴォーカルが不安定な曲が少なからずあった。しかし本作では、歌声が荒れる事もなく、とても安定した歌声を聴かせてくれている。ジョンが遺した近年のASIA、UKのオフィシャル・ライヴと比較しても遜色無い。

もう一つの目玉はやはりライヴ映像のDVDなのだが、複数台のカメラで撮影されているものの、なぜか画質が余りよく無い。2009年の映像ならば、もう少し鮮明な映像になると思うのだが・・・また、DVDは音質もCDほどクリアでは無い。曲数もCDから削られているので、CDが本編、DVDはボーナス程度に考えた方が良いだろう。
いずれにしても、今となっては、この時期のICON(Wetton/Downes)のライヴ音源と映像が残されているだけでも、有難い話だ。この時のライヴでしか聴く事ができない、Wetton/Downesの名曲が、このライヴ盤に数多く収められているのだから。

iCON

CD 1: 1. COUNTDOWN TO ZERO、2. GO、3. I’VE COME TO TAKE YOU HOME、4. TWICE THE MAN I WAS、5. ELSTREE 、6. VOICE OF AMERICA 、7. THE DIE IS CAST 、8. TO CATCH A THIEF 、9. STARLESS
CD 2: 1. PARADOX / LET ME GO 、2. RAVEN 、3. TRUE COLOURS 、4. HEAT OF THE MOMENT 、5. RUBICON 、6. DON’T GO OUT TONIGHT 、7. MY OWN TIME 、8. DAYS LIKE THESE 、9. IN THE END 、10. ROCK AND ROLL DREAM
DVD:1. COUNTDOWN TO ZERO 、2. GO 、3. I’VE COME TO TAKE YOU HOME 、4. ELSTREE 、5. VOICE OF AMERICA 、6. THE DIE IS CAST 、7. TO CATCH A THIEF 、8. STARLESS 、9. PARADOX/LET ME GO 、10. RAVEN 、11. TRUE COLOURS 、12. HEAT OF THE MOMENT 、13. RUBICON 、14. DAYS LIKE THESE 、15. IN THE END 、16. ROCK AND ROLL DREAM