世界中の数多くのファンが悲しみに沈んだジョン・ウェットン(John Wetton)の訃報から約10日が過ぎようとしている。まるでその死を弔うかの様なタイミングでASIAの最新ライヴ作品「シンフォニア~ライヴ・イン・ブルガリア2013」が2/10にリリースとなった。勿論、本作のリリースはジョンの逝去よりもかなり前から計画されていたものだが、結果的にジョンの追悼盤的となってしまった。

本作のポイントの一つ目は前年にスティーヴ・ハウ(Gt)がバンドを去り、後任として当時若干26才のサム・コールソンが迎えられている点だ。若さあふれるプレイをASIAのクラシック・ソングで披露する姿は、他のバンド・メンバーも刺激した様で、バンドのサウンドがとても引き締まっている。二つ目のポイントはライヴ後半のオーケストラとの共演だ。オリジナルのASIAがメンバー以外とステージ上で共演するのは非常に珍しく、公式作品として残されたのは非常に素晴らしい事と言える。最後のポイント、これはもうジョン・ウェットンの見事なパフォーマンスに尽きる。歌もベースも本当に素晴らしく、ジョンが残した数多くのライヴ作品の中でもベスト・パフォーマンスの一つと言っても良い。曲間のMCもとてもテンションが高く、ジョン自身が非常に高揚しているのが分かる。セットリストも新旧バランスの良い選曲でASIAにおけるジョンの軌跡をたどる事ができる作品だ。

シンフォニア~ライヴ・イン・ブルガリア2013

Disc1: 1.孤独のサヴァイヴァー、2.タイム・アゲイン、3.フェイス・オン・ザ・ブリッジ、4.マイ・オウン・タイム、5.ホーリー・ウォー、6.アン・エクストラオーディナリー・ライフ、7.デイズ・ライク・ディーズ、8.永遠の輝き
Disc2: 1.時へのロマン、2.ドント・クライ、3.ヒロイン、4.偽りの微笑み、5.この夢の果てまで、6.ヒート・オブ・ザ・モーメント、7. ワルキューレ(日本盤ボーナストラック)

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