プログレッシヴ・ロックの伝説的トリオ、EMERSON LAKE & PALMER(エマーソン・レイク・アンド・パーマー、ELP)の名曲をCD6枚に収録した日本独自のベスト「The Everlasting The Best of ELP」が3月8日にリリースされる。ELPを始めとするプログレ系バンドはコンセプト・アルバムや長尺曲が代表曲となるケースが多い為、ベスト盤が作りにくい、あるいは選曲が中途半端な印象を与えやすいが、CD6枚もあればその心配は無い。本作の構成は大きくCD1、2がヴォーカル・パート、CD3がインスト・パート、CD4、5がライヴ・パート、そしてCD6が未発表パートとなっている。当然、値段もそれなりなので、初心者向けのベストとは言えないが、2010年HIGH VOLTAGE FESTIVALでのラスト・ライヴや、日本盤初収録となる曲テイクもあり、ELPファン、プログレ・ファン向けの企画盤としては充実の内容と言える。

ELPが他のバンドと異なる点は、ELPはキース・エマーソン、グレッグ・レイク、カール・パーマー(Drs)の3人以外では成立しない、という点だ。それは何もバンド名がそうなっているから、という単純な話ではなく、トリオというミニマム構成で3人の個性が激しくぶつかり合う事によりELPの独特のサウンドが生まれており、そのうちの一人が変わってもそのサウンドが通常以上に大きく変わってしまう為だ。実際、80年代には何度か3人が揃わない疑似再結成が行われ、素晴らしい音楽を作り出していたが、やはりそれはELPとは別ものだった。残念ながら2016年にキース・エマーソン(Key)、そしてグレッグ・レイク(Ba、Gt、Vo)が相次いでこの世を去り、我々ファンは2度とELPの姿を見る事が出来なくなってしまったが、ELPの名曲の数々はいつまでも色あせることは無い。

Disc1: 1.ナイフ・エッジ、2.ラッキー・マン、3.ジェレミー・ベンダー、4.ジ・オンリー・ウェイ、5.タイム・アンド・プレイス、6.アー・ユー・レディ・エディ、7. フロム・ザ・ビギニング、8.シェリフ、9.トリロジー、10.リヴィング・シン、11.聖地エルサレム、12.用心棒ベニー、13.今夜は愛の光につつまれて、14.セ・ラ・ヴィ、15.ノーバディ・ラヴズ・ユー・ライク・アイ・ドゥ、16.海賊
Disc2: 1.孤独なタイガー、2.恐怖の頭脳改革、3.君を見つめて、4.ソー・ファー・トゥ・フォール、5.夢みるクリスマス、6.迷える旅人、7. 欲しいのは君だけ、8.ギャンブラー、9.将校と紳士の回顧録(a.プロローグ/紳士の教え~b.愛を感じた時~c.最前線からの手紙~d.栄光の歩兵中隊)、10.ブラック・ムーン、11.フットプリンツ・イン・ザ・スノウ、12.ハンド・オブ・トゥルース、13.ゴーン・トゥー・スーン
Disc3: 1.未開人、2.運命の三人の女神、3.限りなき宇宙の果てに、4.トッカータ、5.ピアノ協奏曲 第1番、6.あなたのバレンタイン、7.バレルハウス・シェイクダウン、8.メイプル・リーフ・ラグ、9.ホンキー・トンク・トレイン・ブルース、10.キャナリオ、11.チェンジング・ステイツ、12.クロース・トゥ・ホーム、13.ブレイド・オブ・グラス、14.ハマー・イット・アウト
Disc4: 1. プロムナード、2.こびと、3.プロムナード、4.バーバ・ヤーガの小屋、5.バーバ・ヤーガの呪い、6.バーバ・ヤーガの小屋、7. キエフの大門、8.ホウダウン、9.タルカス、10.石をとれ~スティル…ユー・ターン・ミー・オン~ラッキー・マン
Disc5: 1.ピアノ・インプロヴィゼイション、2. 悪の教典#9(ライヴ)、3. イントロダクトリー・ファンファーレ、4. ピーター・ガン、5.クローサー・トゥ・ビリーヴィング、6.タッチ・アンド・ゴー、7. 庶民のファンファーレ~ドラム・ソロ~ロンド、8.ナットロッカー
Disc6: 1. 悪の教典#9 第1印象〔インストゥルメンタル・ミックス〕