グレッグ・レイク、ジェフ・ダウンズの二人が80年代に残した幻の音源
グレッグ・レイク(EMERSON LAKE & PALMER)とジェフ・ダウンズ(ASIA、YES)の二人が80年代に残していた未発表の音源が「Ride the Tiger」として、ついに日の目を見ることになった。コンピレーション・アルバム「From the Underground Volume 2」でリリースされていた3曲に加え、未発表3曲、別ミックス1曲の合計7曲が収録されている。また、Love Under FireはASIAの「AUQA(92年)」、Affair of the HeartはELPの「Black Moon(92年)」にそれぞれ、収められており、本作では、そのオリジナル・バージョンを聴くことができる。
リリースに否定的だったジェフの気持ちを変えた曲のクオリティ
全体的な音楽性は、70年代のプログレッシヴ・ロック・スタイルではなく、キーボードが中心のロック・サウンドで、イメージ的にはELPの「Black Moon」に近いと言える。この音源がリリースを想定した正式レコーディング音源なのかは定かではない。しかし、本作のリリースの打診を受けたジェフ・ダウンズは、途中で頓挫した未完成品としかとらえておらず、当初は、リリースには否定的だったものの、実際に音源を聴いてみて気が変わった、と語っている。後に正式にASIAやELPに採用されたLove Under Fire、Affair of the Heartだけでなく、それ以外の曲も、非常にクオリティが高い。
初期ASIAで聴かれる「売れ線」的な曲は無いが、シンフォニックなシンセとエレクトリックなドラム・サウンドのアレンジが印象的なオープニングのMoney Talksは、ELPのアルバムに入っていてもおかしくないサウンドだ。80年代という事で、グレッグの歌声も艶やかだ。資料としてのレア・トラック以上の価値があるアルバムだ。
「Ride the Tiger」収録曲
1. Money Talks、2. Love Under Fire、3. Affairs Of The Heart、4. Street Wars、5. Check It Out、6. Blue Light、7. Love Under Fire (Alternate Mix)