2012年にフランス東南部のグルノーブルで結成された5人組パワー・メタル・バンドRISING STEEL(ライジング・スティール)が強力なファースト・アルバム「Return of the Warlord」でデビューを果たした。80年代のNew Wave of British Heavy Metal(NWOBHM)に深く傾倒し、IRON MAIDENを始め、JUDAS PRIEST、DIO、MANOWAR、ACCEPTといった正統派バンドに影響されたというスタイルはパワフルなクラシックな正統派メタル・サウンドだ。
ダークで展開の激しいオープニング”Breaking the Silence“から正統派メタル魂が炸裂し、一気にアルバムに引き込まれる。ハード&ヘヴィな中にもキャッチーな要素も垣間見られる”Monster“や、PV制作された”Dead or Alive“では、バンドがパワー一辺倒ではない事を示してくれる。NWOBHM的な”People of the Moon“はシンガーのEmmanuelson の声質も相まって、ブレイズ・ベイリー期のIRON MAIDENを彷彿とさせる曲だ。ドゥーム・メタルの”Evil Master“も素晴らしい。バンド名を冠した”Rising Steel”はメタル・アンセム的で、ライヴでも大いに盛り上がれる。全10曲、全てが強力且つ正統派で、非常に聴きごたえがあり、メタル愛に満ちたアルバムだ。日本のメタル・ファンにも強くアピールする事だろう。
Return of The Warlord
1. Breaking The Silence、2. Monster、3. The Watcher、4. Dead Or Alive、5. Straight To Hell、6. Evil Master、7. Rising Steel、8. People Of The Moon、9. Never Give Up 、10. Hell’s Control