8ヶ月振りのニューアルバム「極彩色」
岐阜県出身のバンド、鳴ル銅鑼が先日待望のニューアルバムをリリースした。「極彩色」と名付けられた今作は、ROJACKの優勝者特典でもあり、初の全国流通版となった「無知」以来、およそ8ヶ月ぶりのリリースとなる。タイトルに象徴されている通り、毒々しいまでに鮮やかな原色の花々で彩られたジャケットが視覚的にも華やかな一枚だ。
様々な要素を取り入れた物語色の強い歌
物語を描くように、曲で独自の世界観を披露していくのを得意としている彼ら。三輪 和也(Vo)の艶がある色っぽい声音に乗せて展開されていくストーリーはどれも、自分なりの解釈を浮かべられるまでに何度も聴いて味わいたくなる様な深い魅力がある。
全編を通して、描かれている物によって歌い方や声の癖の出し方の一つまで細部に渡って拘って創られた今作。ジャズ・和・テクノなどの様々な要素を取り入れているにも関わらず、この詞にはこのメロディーしかないと確信を持って言い切れる程、メロディーとリリックが映画の中で流れる映画音楽の様に調和して溶け合っている。
彼らの描く《愛》や《希望》の形
背徳感の中に少し切なさが混じった楽曲、「秋宵」で幕を開ける今回のアルバム。《嘘》や《愛》について歌っているときに、鳴ル銅鑼が描く世界は懐の深さを垣間見せる。抽象的なものに対して、そこに汚い一面もあるということを知りながら、その事象が内包している綺麗な一面を掬い出して、そのまま受け入れるのは、案外難しい。
皮肉を織り交ぜながらも、全てをありのままに受け止めて描き出された歌の中には、綺麗なエフェクトがかかった冷たい現実が確かに内包されている。
そんな言葉を巧みに使って魅せる曲が多いなか、6曲目の「愛について」は弾き語りのようなシンプルな構成で、しっかりと言葉が伝わってくる無防備なほどにストレートな曲だ。1人の人間が《愛》というテーマで考えた時に、浮かび上がった答えがそのままの純度でパッケージ化されていて、聴き手の心にそっと寄り添うような一曲に仕上がっている。
今作でも最も明るく、希望が見える楽曲が一番最後に収録されている「四季彩」だろう。この曲はアルバムに閉じ込められている喜怒哀楽の数々の感情も、全て希望へと昇華してしまえるのではないかと思わせる強い力を持っている。
《もう立てないと 嘆く君も いつかは 輝くよ》と、前向きな言葉が連なったこの曲は、今まさに辛い現実に直面しているという人の気持ちを少し楽にしてくれることだろう。
今後の予定
今後の展開として、彼らは全国ツアーの後に“閃鳴ワンマン”と名付けらたバンド史上最大キャパの名古屋クアトロでのワンマンライブが決まっている。彼らのLIVEは視覚的にも楽しませてくれる仕掛けが沢山施されているので、予定がまた決まっていないという人には、是非足を運んでもらいたい。
〈鳴ル銅鑼 極彩色 リリースツアー〉
1/29(金) 岐阜/柳ヶ瀬ants
1/31(日) 長野/松本Sound Hall a.C
2/4 (木) 福岡/薬院 UTERO
2/5 (金) 山口/周南 LIVE rise SHUNAN
2/7 (日) 広島/広島 Live&Cafe BoRDER
2/8 (月) 愛媛/松山 SALON KITTY
2/9 (火) 香川/高松 MONSTER
2/11(木) 大阪/心斎橋 Pangea
2/13(土) 三重/鈴鹿 ANSWER
2/14(日) 滋賀/大津 B-FLAT
2/17(水) 千葉/稲毛 K's Dream
2/19(金) 宮城/仙台 Flying Son
2/21(日) 栃木/宇都宮 HEAVEN'S ROCK VJ-2
2/27(土) 東京/下北沢 SHELTER
2/28(日) 茨城/水戸 LIGHT HOUSE
3/1 (火) 京都/二条 GROWLY
2016/03/12 名古屋 CLUB QUATTRO
極彩色 リリースツアー千秋楽 “閃鳴ワンマン”