洋楽ファンであれば、一度くらいは海外でライブを観たいと思うだろう。DVDやYouTubeで海外のライヴ映像を見れば、同じアーティストでも日本でのライブとは違う雰囲気を感じることができるし、Rushの様に観たければ海外へ行くしかないバンドもいる。いずれにしても、海外のライブには、日本では味わえない魅力がある。
初めてアメリカでライブを見たのは92年の夏、ニューヨークのシェイ・スタジアムで行われたクラプトンとエルトン・ジョンのカップリング・ライブだった。6万人の観客で埋め尽くされたライヴの熱気は今でも鮮明に覚えている。会場全体がヒット曲をフルコーラス大合唱する光景は、日本での洋楽ライブでは、まず経験することはできないだろう。見事なダンスを披露する若者もいたし、奇声を上げながら走り回る少し危なそうな観客もいた。Wonderful Tonightでは、周囲のカップルが皆、抱き合って踊り始めた。日本では見られない様な観客のノリも含めて楽しめるのが、海外ライブの楽しさなのだ。
時には信じられない光景を目にする事もある。メタリカの野外ライブでは、芝生席の観客が焚火をはじめて、その周り何人もグルグル走り回っていた。日本ではありえない話であるが、会場のセキュリティが止めに入らないという事は、そこではOKだったのだろう。自分も一緒になって走り回ろうとは思わなかったが、焚火の煙が立ち込める中でのメタリカのライブは日本で観た時よりもずっと興奮したのは事実だ。
海外へ行くというハードルの高さはある。しかし、同じライブでも、そこに行かなければ味わえない感動もあるのだ。もし多少の無理をする事で行けるのであれば、海外へ行ってライヴを観ることを強く勧めたい。