「Bitter&Sweet」は2012年に発売されたAimerのカバーアルバムである。インディーズ時代にiTunes Storeで配信し、ロングヒットしたカバーアルバム「Your favorite things」に6曲を追加しCD化した。選曲・アレンジ・表現力・歌唱力ともに素晴らしく、前年の2011年にメジャーデビューしたとは思えない完成度の高さとなっている。美しく儚く、どこまでも透き通るようなAimerの美しい歌声を堪能できるアルバムである。
3秒でAimerの世界に引き込まれる
本アルバムの1曲目「リフレインが叫んでる」は、1988年に発売された松任谷由実の名曲である。再生が始まり「どうして どうして僕たちは」というワンフレーズだけでAimerの世界に引き込まれる。もちろん楽曲が日本を代表する女性シンガーの松任谷由実の傑作であるということも理由の一つではあるかもしれないが、カバーであることを忘れて聴き入ってしまうような魅力がこのアルバムにはある。
邦楽洋楽からの幅広い選曲
カバーの選曲は女性アーティストのものが多い印象があるが、「また君に恋してる」「今宵の月のように」といった男性アーティストの曲もあり、沢山の名曲が散りばめられている。洋楽からもNat King Cole「L-O-V-E」やNeil Sedaka「Calendar Girl」など個性的なセレクトがされている。「Poker Face」「Crazy in Love」といったパワフルな女性アーティストが歌う楽曲も、スローテンポなアレンジを聴かせてくれる。これだけの楽曲をカバーするAimerの個性や表現力は目を見張るものがあるが、なんと言ってもAimerの最大の魅力は、唯一無二の声なのである。まだAimerの歌声を聴いたことがないという方にぜひ聴いてもらいたい。
【収録曲 (原曲歌手/発表年)】
1. リフレインが叫んでる (松任谷由実/1988年)
2. L-O-V-E (Nat King Cole/1964年)
3. Poker Face (Lady Gaga/2008年)
4. 三日月 (絢香/2006年)
5. Viva La Vida (Coldplay/2008年)
6. また君に恋してる (ビリーバンバン/2007年)
7. 強く儚い者たち (Cocco/1997年)
8. Calendar Girl (Neil Sedaka/1960年)
9. 今宵の月のように (エレファントカシマシ/1997年)
10. Baby Love (The Supremes/1964年)
11. Crazy in Love (Beyonce/2003年)
12. Precious (伊藤由奈/2006年)
13. Breaking Up Is Hard To Do (Neil Sedaka/1962年)
14. I Will Always Love You (Whitney Houston/1992年)
15. Change the World (Eric Clapton/1996年)
16. Orion (中島美嘉/2008年)