前回のSEVENTH SON/正田泰(TAi Syouda/ドラム、リーダー)に続き、Yama（ヴォーカル)へのインタビューをお届けする。
「15周年のライヴは、今までで一番のライヴ」「次のアルバムは、持っている力を全て出し尽くす」
Live Land(L): 15周年記念のライヴを終えて、どんな気持ちですか？
Yama(Y): 15周年記念のライヴは、いろんな意味での総決算、という気持ちで臨みました。対バンも凄いバンドばかりだったし、自分としては、今までで、一番良いライヴが出来ましたね。勿論、それで満足している訳ではないけど、良いライヴにする事ができたな、と思っています。
L: 初代ヴォーカルのHideさんとの共演もありました。
Y: Hideさんとは、少し面識があった程度で、共演するのは初めてでした。先日、2人で会った時に、何か違う事を一緒にできたら、という話をしていたんです。人間として、とても尊敬できる人ですね。
L: ライヴの1曲だけのイメージですが、YamaさんとHideさんは、ヴォーカリストとしてのタイプが少し違う印象を持ちました。SEVENTH SONに入る時に、Hideさんのスタイルを知った上で、その後任になる、という意識はあったんですか？
Y: いや、Hideさんの事は、全然知らなかったんですよ。実は、SEVENTH SONが結成された時に、最初に僕に声が掛かっていたんです。ギターの大谷から電話があって、参加して欲しい、と。彼は、もともと、電話してそんな話をする様なタイプの人ではないので、そういう彼が、直接アプローチしてきてくれたのが、今でも印象に残っています。ただ、その時、僕は、ZEAL CAMERAという別のバンドをやっていて、レコーディングの途中でした。僕は不器用だから、2つもバンドを掛け持ちはできないな、と思って断ったんです。暫くして、SEVENTH SONにヴォーカリストが入ったと聞いて「あぁ、誰か見つかったんだな」と思ってました。
その後、ZEAL CAMERAの音楽性が違う方向に行ってしまったり、いろいろあって、僕はバンドを脱退しました。そして、またヘヴィ・メタルを歌いたい、と考えていた時に、SEVENTH SONがヴォーカリストを探している、という事を知って、オーディションを受ける事になったんです。その時、7曲入りのCDを渡されて、そこで歌っていたのがHideさんでした。その中の何曲かを歌って、加入する事になったんです。
L: 当時、SEVENTH SONのプログレッシヴな音楽性は、ヴォーカリストとしてYamaさんはどの様に思っていたんですか？
Y: 実は、僕には、合わないかもしれないな、という思いが少しだけありました。多分、もっとストレートなメタルの方が僕には合うんでしょうね。でも、僕自身そういうプログレッシヴなメタルが好きだったし、ZEAL CAMERAでも、そういう音楽をやっていました。もっと前にSALEMという日本のプログレ・メタルの走りみたいなバンドがあって、CHURCH OF MISERYの三上さんが昔やっていたバンドなんですが、そこのローディをしながら追っかけをしていたくらいでね。昔から、QUEENSRYCHEとかMEGADETHみたいな、ちょっとクセのあるメタルが好きなんですよ。ストレートなメタルも好きですけど（笑）。
L: バンドのホームページによると、途中で脱退していた時期もあって、Yamaさん自身も大変な事もあった様です。それでも、SEVENTH SONに戻って、歌を続けているのは、どんな思いからなんでしょうか?
Y: 結局、歌う事が自分が生きている実感が持てる、という事なんです。自分の生きる道、スタイルが、歌う事で再確認できる。歌っていなかった時期、2年くらいの間は、体調も悪くて、まともに動く事できませんでした。とても苦しかったし、生きる意欲も無かった。それが、だんだん復活してきて、体調も回復して、やっぱり歌いたい、と思う様になったんですが、そんな状態ではバンドに迷惑になってしまうから、少し時間をおいて、「大丈夫」と思える様になってから、バンドに戻りたい、という話をしたんです。そうしたら、僕がそう切り出したその前の日に、決まりかけていた別のヴォーカリストが一緒にできなくなってしまった、という事になっていて「SEVENTH SONはもうダメかもしれない、と思っていた」と言われたんです。それで、もう一度、一緒にやる事になったんですよ。
L:とても劇的な展開ですね。別の人に決まりかけていて、しかも前の日にそれがダメになっていたとは。
Y:そうですね。もし、その人がそのまま加入していたら、僕は今、SEVENTH SONで歌っていなかった訳です。或いは、もっと早く僕が「戻りたい」と言っていても、その人がいたんだから、戻る事はできなかったでしょう。
L:ニュー・アルバムの事についてお伺いします。ライヴでも新曲が演奏されていましたが、収録曲は仕上がっているのですか？
Y: 形になっているのが7曲で、まだ3曲、練り上げている途中の曲があります。次のアルバムは、シンプルでコンパクト、という事をテーマにしています。前作は、7分とか長い曲もありましたけど、今回は3分半とか長くても5分台の曲ばかりです。そういう曲に、ひとクセ、ふたクセ入ってくるのが、僕らの世界観で、そういうSEVENTH SON節みたいな部分は持った上で、コンパクトにしています。歌にもキャッチーなメロディが入っています。
前作では、僕が居なかった時期に曲作りをしていたので、僕が戻った時には、曲は殆ど出来上がっていました。歌詞はまだでしたけど、大谷が持っているイメージがあり、歌詞も彼が書くという事で、僕は1曲しか歌詞を書いていません。
曲作りにしても、前作では、大谷がドラムマシンを使って、ある程度まで曲を作ってきていましたが、今回は、一つのリフを元にして、スタジオでジャムりながら作っています。楽器隊と僕と戦いみたいな部分もありますよ。もっと弾きたい！と思っている所を、止めてもらったりね。それで、上手く仕上がらずにボツになった曲もあります。今回は、歌詞は僕が書いていますから、歌詞のイメージと曲のイメージが合わない時もあって、バンド内でやりあい過ぎて「あぁ、リハ行きたくない」と思ってしまう事もあったりね。でも、それくらいじゃないと、良い曲にはならないですね。
ニュー・アルバムは、僕のカラーが相当入ってる所が、前作とは違う点です。さっきも言ったとおり、前は僕が戻った時に、曲は既にありましたから。歌うにあたって、ああしていいか？こうしていいか？というのは、ありましたけどね。
今回、曲作りは、今年の１月くらいからやっていますが、こんな感じなので、時間はかかりますね（笑）。今、ようやく、プリプロのドラムが終わって、ギター、ベースを入れているところです。年明けから僕が歌入れをして、本格的なレコーディングはそれからです。
L:ライヴのMCで話していた8月のイベントには間に合わせる予定ですか?
Y:そうです。まだ、イベントの事は詳しくは言えませんが、アルバムは、そこには間に合わせたいです。SEVENTH SONとしては、それまではライヴの予定はなく、レコーディングに集中します。
L:最後に、新作を待っている方にメッセージをお願いします。
Y:次のアルバムは、持てる力を全部出し切って作ります。ある意味、これで終わっても悔いが無い、それくらいの作品を作りたいですね。プログレッシヴなヘヴィ・メタル、そして心のこもった歌が入った、素晴らしいアルバムをお届けしたいと思っています。是非、期待して待っていてください！