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日本初のヘヴィ・ロック・フェスティヴァル

LOUDPARKが産声を上げる5年前、日本初のヘヴィ・ロック・フェスティヴァルとして開催されていたのがBEAST FEASTだ。2001年と2002年の2回でその歴史に幕を閉じたが、出演アーティストの豪華さはもちろんのこと、日本でこうしたイベントを開くことができるという可能性を示したところに、非常に大きな意味があった。

イベントとしての盛り上げ方にも力が入れられていた。別会場で前夜祭、中夜祭が開かれ、ライブハウスクラスの環境で多くのバンドを見た後、翌日アリーナの広々とした中でのパフォーマンスも楽しむ、ということができたわけだ。もちろん体力が許せばというところもあるが、フェスティバル本体のみであっても、当時からサークルピットが生じ、モッシュも頻繁におこなわれる場だったため、やはり身体が資本だった。

また、出演バンドがある程度固まった時期からコンピレーションCDを発売し、来場者に予習させるという方法がとられていたことも特筆すべきだろう。今でこそ各CDショップはFUJI ROCK FESTIVALやSUMMER SONIC、LOUDPARKなどに向けて、出演バンドのCDを並べた特設コーナーを展開していたりもするが、BEAST FEASTは、運営自らが出演バンドの音源を集めたCDを発売し、廉価で購入してもらうことによって会場に足を運ばせる手法を取っていた。

SLAYERがトリを務めて観客が満足するところはLOUDPARKにも引き継がれているが、ダブルヘッドライナーであったPANTERAの最後のライブになってしまったことも印象深い。「Walk」が演奏された際にできたサークルピットは日本初の大きさではなかっただろうか。