確かな演奏力でその名を知らしめつつあるバンド
TOKYOGUMは舘洋介(Vo.Gt.)、鈴木朗(Ba.)、藤本光太郎(Dr.)によってなる残響レコード所属のスリーピースバンドである。メンバーは横浜国立大学出身であり、2011年に舘と藤本が前身バンドを結成し。2012年8月に鈴木が加入し、TOKYOGUMとしての活動が始まった。
TOKYOGUMの公式サイトのバイオグラフィーにおいて「フォークソングのような親しみやすさとオルタナティヴ/パンク等のスリルを兼ねそなえた楽曲」とある様に、ジャンルにとらわれない魅力を持っている。
この『腐海前』はライブでも多く演奏される曲であり、間違いなくリスナーを彼らの魅力に引き込むであろう。Vo.舘の男性らしい伸びやかな声を“聴かせる”曲であることは違いないが、その一方で複雑なベースとドラムがそれを支えているのも事実である。
「海が腐るまで歌おう 太陽みたいに笑うあなたの隣で」というフックがありつつもストレートな詞と織りなす楽曲の世界は、不気味な夜の海になる前の海と太陽が美しい、暮れていく海岸に自分と誰かが居るかのようである。
TOKYOGUM楽曲はどれもクオリティの高さによって“憧れてしまう”ようなスリーピースバンドの音が詰まっている。残念ながらYouTube並びにSoundCloudで視聴できる曲数には限りがある為、是非とも購入の上じっくりと聴いて頂きたい。
3rdミニアルバムと4人編成
そんなTOKYOGUMは先日9月16日に3枚目のミニアルバム「涙」をタワーレコード限定でリリースした。今回のアルバムはそれまでのクリーンギターの印象の強さとは打って変わって歪ませたギターサウンドが目立つアルバムであると感じられる。
リードトラックの『MILKY』はまさに音もコードの刻みも含めてその印象が強く、太いサウンドと、対照的により引き立てられる舘の美声が素晴らしいまとまりをみせている。
「君ならできる」「僕等ならできる」という歌詞はリスナーの耳にとまりきっと背中を押すように伝わるだろうし、ただそれだけでなく、たとえば「流した涙」や「泣くだけ泣いた」というフレーズは『涙』というアルバムタイトルと相まって、不器用な生き方をする人間への讃歌のようにも聴こえる。そして、力強いサウンドによってより説得力は増すのだ。
この新たなアルバムで見せたTOKYOGUMの新たな一面は、『MILKY』でも感じられるだろうが、2本のギターの重なりがライブにおいても必要な部分になる。そこでTOKYOGUMはこのたびサポートギターに『LOST WORLD』のデモ音源のレコーディングにも参加したtao nakamuraを迎えた。4人編成のバンドとして新たなTOKYOGUMの表情を見られることだろう。『腐海前』のライブ動画を見ても明らかなように、元々ライブにおける魅せ方にも優れたところがある彼らTOKYOGUMが、「4人目」が加わることでどのようにパワーアップするのか、是非ともライブで確認したいところである。
「3rd mini AL “涙” release tour 2015」日程
11/21(土)名古屋ROC’KN’ROLL
w/ chouchou merged syrups./ eito and more
11/22(日)心斎橋pangea
w/ chouchou merged syrpus. / e;in / 空中メトロ
11/28(土)札幌CRAZY MONKEY
w/ te’/ chouchou merged syrpus. / sleepy ab
12/5(土)金沢vanvanV4 3マン
w/ te’ / chouchou merged syrpus.
12/6(日)長野JUNK BOX 3マン
w/ te / chouchou merged syrpus.
12/12(土)仙台LIVE HOUSE enn 3rd 3マン
w/ te’ / chouchou merged syrpus.
12/13(日)下北沢era 2マン
w/ chouchou merged syrups.