Galileo Galileiといえばあのアニメ?
21日21時より、フジテレビ系列において「あの日見た花の名を僕達はまだ知らない。」(以下「あの花」)のスペシャルドラマが放映される。元々同局「ノイタミナ」内で約4年前に放映されたあの花は、舞台となった秩父市が「あの花」によって町おこしを行ったほどの社会現象を起こした。アニメに引き続きそのドラマ版でも彼らの代表的ヒット曲『青い栞』で主題歌を務めているのがご存知、Galileo Galileiである。
イントロからポップなシンセとギターによってややスローテンポで進められるこの曲は、アニメの情感とあいまって爽やかで優しい印象の作品である。劇場版「あの花」でもGalileo Galileiは楽曲を提供しているが、その『サークルゲーム』においても『青い栞』で大事にしていた「あの花」の世界観は変わらず、ポップなサウンドにボーカル尾崎雄貴の伸びやかで情感たっぷりな歌が重なることでアニメの持つようなノスタルジックさが感じられる。今回のドラマでの再タイアップも、アニメの世界観の構築に主題歌が一役買った、と言うよりは共感したことで、“「あの花」=ガリレオ”という印象がリスナーにとってあったからに他ならない。実写版「あの花」で流れる『青い栞』にも期待したいところだ。
「あの花」を除いても、Galileo Galileiはデビュー以来数多くのアニメ作品とのタイアップを行ってきた。そのため「Galileo Galileiはアニメのバンド」という印象を持つ人も多いことだろう。実際、さかのぼること昨年2月に成功をおさめた渋谷公会堂での初ホールワンマンでは、老若男女を問わない観客がリラックスしながらじっくりと演奏を聴いていた。時に席に座りながら観る人が散見されたことはホールのライブならではであったし、ライブハウスの雰囲気に慣れない人であっても安心できる様なライブであった。アニメから入ったファンも多いと言われるGalileo Galileiにはピッタリのロケーションであったことからも、ホールワンマンの成功が頷ける。
Galileo Galileiの知られざるルーツとは
さて、そんなGalileo Galileiのライブ、それもアンコールで時たま披露される曲をご存知だろうか。前述の渋谷公会堂でのライブや、彼らの主催ツアーでのライブにおいて演奏された、聴けたらラッキーな曲だ。
それは「洋楽のカバー曲」である。元々、彼らの楽曲のルーツには洋楽のサウンドが流れている。例えば、最近の曲でいえば『恋の寿命』の転調後の部分など分かりやすく感じて頂けるのではないだろうか。バラードのように聴こえる曲ではあるが、基本四つ打ちでノリの良い楽曲であり、転調以降はいわゆる“洋楽っぽい”とてもリズミカルなギターがリスナーを引き込むのもこの楽曲の良さである。
Galileo Galilei 『恋の寿命』(転調部分は3:15辺りから)
特に影響を受けていると本人たちも語るBombay Bicycle Club(全英チャート1位も獲得したことのあるバンド)とは過去に対談を果たしていて、インストゥルメンタルではあるがカバーを何曲も行っていることを興奮気味に語っていた。Galileo Galileiの洋楽好きな一面がよく分かるエピソードである。
最後にご紹介するGalileo Galileiによる洋楽のカバー曲は、前述の渋谷公会堂でのライブで披露されたThe 1975の『Chocolate』と、筆者が個人的にとてもお気に入りでノリノリなFriendly Firesの『Skeleton Boy』である。どちらも日本語の訳詞を新たにつけて歌われていて、Galileo Galileiらしさが混ぜ込まれた楽曲へと昇華されている。
The 1975 – Chocolate (GG JP COVER Session)
彼らの多才な音楽には境界線がない。それはGalileo Galileiの音楽を楽しむファンは年齢や性別を問わず誰でも共感し楽しめるものであるということ。また、彼ら自身も洋楽・邦楽の垣根などない感覚で音楽を楽しみ創り続けているということである。
10月より始まる「broken tower tour 2015」では彼らの世界観を存分に見せてくれることだろうし、ひょっとしたら洋楽のカバーも演奏してくれるかもしれない。何より、まだまだ若い彼らの成長をライブで直に見られるのが楽しみである。是非とも彼らのルーツに触れてからGalileo Galileiのライブをお楽しみ頂きたい。