JORNとして3枚目のカバー・アルバム「Heavy Rock Radio」
ノルウェーの実力派メタル・シンガー、ヨルン・ランデ(Jorn Lande)率いるJORN(ヨルン)が、2013年の「Traveller」に続くニュー・アルバム「Heavy Rock Radio」をリリースした。今回のアルバムは、全てがロック・クラシック・ソングのカバー・アルバムとなっている。JORNはこれまで「Unlocking the Past(2007年)」、「Dio(2010年)」の2枚のカバー・アルバムをリリースしている。これまでのカバー・アルバムがHR/HMのクラシック・ソングで、アルバム「Dio」はタイトル通り、ロニー・ジェイムス・ディオの曲で構成されていたのに対し、本作は、HR/HMの枠にとどまらず、ケイト・ブッシュ、EAGLES、FOREIGNER、QUEENといったアーティストのクラシック・ソングが取り上げられているのが特徴だ。JORNというバンド名義で制作されているので、元々、HR/HMではない曲も、キッチリとHR/HM的なバンド・アレンジになっているので、原曲を知らない人でもJORNのアルバムとして楽しめる内容だ。
現役メタル・シンガー最高峰の実力を持つヨルン・ランデ
JORNはバンド名が示す通りシンガーのヨルン・ランデのリーダー・バンドである。デヴィッド・カヴァーデイルを彷彿とさせるディープ・ヴォイスが特徴だが、ロニー・ジェイムス・ディオを歌っても全くパワー不足を感じさせない、という現役のメタル・シンガーでは最強の一人といえる。基本的にはパワー・メタルが似合うスタイルだが、パワーだけではなく表現力も豊かで、その実力を買われてケン・ヘンズレー(ex URIAH HEEP)のバンドや、ミッキー・ムーディ、バーニー・マースデンがWHITESNAKEタイプの曲をプレイするTHE SNAKESといったベテラン・ミュージシャンとの共演も多い。抜群の歌唱力とパワフルな声で聴けばすぐに彼だと分かる程の個性がありながら、こうしたカバー・ソングもオリジナルの良さを壊さずに歌い上げる事ができるのも、ヨルンならではと言える。多くのバンド、プロジェクトに参加しながらも、決して雇われシンガー的にならず、こうして自分の核になるバンドを長く続けてきている事が、ヨルンのシンガーとしての実力を物語っている。
Heavy Rock Radio / JORN
1. I Know There's Something Going On (Frida)、2. Running Up That Hill(Kate Bush)、3. Rev On The Red Line(Foreigner)、4. You're The Voice(John Farnham)、5. Live To Win(Paul Stanley)、6. Don't Stop Believin'(Journey)、7. Killer Queen(Queen)、8. Hotel California(Eagles)、9. Rainbow In The Dark(Dio)、10. The Final Frontier(Iron Maiden)、11. Stormbringer(Deep Purple)、12. Die Young(Black Sabbath)、13.I Don't Know(Ozzy Osbourne/ボーナストラック)