スティーヴ・ハケットの新作「Wolflight」いよいよ9/9に国内リリース
海外では今年3月に発表されていたスティーヴ・ハケットの新作「Wolflight」いよいよ9/9に国内リリースされる事となった。邦題は「ウルフライト~月下の群狼」で、ボーナストラック1曲と、紙ジャケットSHM-CDという限定仕様だ。2012年にリリースのGENESIS時代のセルフカバー「Genesis Revisited II」が世界中で大ヒットを記録し、近年はGENESISの楽曲のみをプレイするツアーを行っていたハケットだが、本作の楽曲は、このツアーで出会った人々や、世界の文化、自然の印象がテーマとなっている。70年代の楽曲のみを演奏するツアーでの経験を元に新曲を書きあげるところが、ハケットの衰えぬ創作意欲を物語っている。
一時期アコースティックやクラシックに傾倒していた時代もあるが、GENESIS脱退後のハケットの音楽性は基本的にGENESIS時代と大きく変わっていない。いかにもプログレという大作指向ではなく、独特のギターメロディのヴォーカルがコンパクトな曲に詰め込まれている。シングルヒットを飛ばすタイプの作風ではないが、アルバムには常に美しいギターメロディが溢れている。本作もハケットの基本的なアプローチは変わっていない。
狼をモチーフにしたジャケットアートはダークな内容をイメージさせる。確かにヘヴィな曲調もあるが、同時にアコースティックやトラッドな雰囲気の曲もあり、バラエティに富んだ曲が並んでいると言えるだろう。ギターに重きを置くのではなく、曲展開は物語性を楽しめる内容となっている。勿論、ハケットのギターも十分にフィーチャーされている。
昨年、英国のテレビ局が制作したGENESISのドキュメンタリー番組で、ピーター・ガブリエル、フィル・コリンズ、トニー・バンクス、マイク・ラザフォードそしてスティーヴ・ハケットという70年代黄金期のメンバーが集結した写真が公開され、全世界のファンからGENESIS再結成を望む声があがったが、ハケットはこの「Wolflight」のツアーに専念している。但しハケットも再結成に興味を示す発言をしているため、今後の動向に注目したい。