UNLEASH THE ARCHERSの初来日公演初日は、東京の高円寺HIGHでEVIL INVADERS のSpecial Guestとして行われた。Special Guestとはいえ告知されたスケジュールでは持ち時間は1時間。ヘッドライナーのEVIL INVADERSとほぼ同じだ。初来日で、しかも前日の午後に日本に到着というハードスケジュールでコンディションはどうか、と多少気にしていたが、シンガーのブリトニーは「東京はそれほど暑くないし気分は最高ね(笑)」とご機嫌だった。確かにこの日は多少雨が降ったので、夏でもそれほど気温が上がらないバンクーバーと同じような天気だったかもしれない。連日の猛暑の事を思えば、カナダからやってきたバンドにとっては断然良い気候だろう。ブリトニー以外のメンバーは開演前にも控え室から頻繁に出てきてサインや写真撮影に応じており、皆はじめての日本を楽しんでいる様子だった。
ライヴは最新作「Time Stands Still」のオープニングSE「Northern Passage」~ファスト・ナンバー「Frozen Steel」というアルバムどおりの流れでスタートした。イントロの途中でブリトニーが登場し、強烈なハイトーン・シャウトをアルバムどおりに聴かせる。この1曲でEVIL INVADERS目当ての観客を含めた全員の心を掴んだといっていい。ブリトニーの煽りに合わせ、早くも場内はサビのフレーズを大合唱だ。メンバー全員、初めての日本のショウだ。観客の反応が気になっていたに違いない。ブリトニーも、他のメンバーもこの1曲で手ごたえを感じたのか、どんステージアクションが激しくなっていった。セットリストは「Time Stands Still」からの曲が大半だったが、日本未発売の前作収録の曲でも、バンドの煽りに客席が応える形で、ショウのテンションが落ちることは無かった。中盤に披露された9分を超えるドラマチックで難易度の高いDreamcrusherも完璧だ。YouTubeでビデオが公開されているTest Your MetalやTonight We Rideではバンドが求めなくても客席からは大合唱が起こっていた。
終盤で、ブリトニーが客席と関係者、共演者に感謝の言葉を述べた以外は、MCは全く無し。1時間ノンストップのショウはあっという間だった。観客の反応がよほど嬉しかったのか、ギターソロの途中でブリトニーが嬉しそうに、スマホで客席をビデオ撮影していたのが印象的だった。
Unleash The Archersの日本での初ライヴは大成功と言ってよいだろう。ステージが終わった直後にも関わらず物販でサインや写真撮影をしていたメンバーの充実した表情が、それを物語っていた。