ジョージ・リンチ率いるLynch Mobが、フルアルバムとしては2009年以来となる「Rebel」をリリースした。シンガーは前作同様にオリジナル・メンバーのオニ・ローガンだ。ジョージは、DokkenやLynch Mob以外にもソロ、KXM、Sweet/Lynch等様々な名義でアルバムをリリースしてきているが、継続的に活動しているのはLynch Mobだけなので、これがジョージのメインと言って良いだろう。Dokken解散後、’89年にリリースした「Wicked Sensation」は今でこそ評価されているものの、当時はDokkenと異なる音楽性にファンの評価は分かれていた。ローガンの歌唱がメディアからのバッシングを受けた事もマイナスに作用してしまい、その後のジョージの活動に大きな影響を与えていた。様々な紆余曲折を経て、近年はローガンとのコンビを復活させ、安定的に活動してくれているのは、ファンとしては嬉しい限りである。

ジョージと言えば、どうしてもDokkenが全盛期というイメージが強いが、ギタープレイはその後ますます磨きがかかっている。気が付けばジョージも既に60才を超えているが、ギターワークは衰えを知らない。音楽とは関係ないがマッチョなボディも健在だ!

本作「Rebel」はローガン復帰後2作目のフルレンスとなるが、海外のレーベルを数多くの大物バンドを抱えるFrontiersにしたことでバンドの活性化が期待できる。音楽性は初期のLynch Mobを彷彿とさせるエッジの効いたリフ主体のグルーヴィな曲が並んでいる。当初はDokkenとの違いばかりがクローズアップされて正当な評価を得られていなかった感が強いが、今の時代はむしろこのジョージの音楽性を純粋に楽しめるファンが多いだろう。勿論、ジョージのギタープレイは本作でも健在である。ドン・ドッケンとは全く異なるローガンの声質も非常にマッチしている。

本作の前にリリースされたミニアルバムは日本での発売は無かったが、今回は世界先行という形でリリースされている。久々の来日公演実現に期待したい!