FLEETWOOD MACのスティーヴィー・ニックス(Vo)が、80年代に行ったソロ・ライヴの模様を収録したCD3枚組「Transmission Impossible」。元の音源はクレジットにあるとおり、FMラジオ放送用に収録されたものだ。この手の音源は、昔からブートレグご用達であり、このCDがアーティストから正規に承認されたものかは定かではないが、音質面では申し分ない内容だ。
CD1は、昨年リリースされたスティーヴィーのファースト・ソロ「Bella Donna(81年、麗しのベラドナ)」リマスターCD3枚組のDisc3と同じライヴ音源だ。とはいえ、CD1の音源が被っても、CD2,3だけでも、価格には十分見合うだろう。
FLEETWOOD MACには、スティーヴィーの他、クリスティン・マクヴィー、リンジー・バッキンガムというソング・ライターがいる為、「(FLEETWOOD MACで)2年ごとに2,3曲の新曲しか出せないのは、私には十分じゃなかった」という理由から、81年に本格的にソロ活動をスタートさせている。ソロとして’Stand Back“を始めソロ活動でも数々のヒット作を生み出し、ソロとバンドの両立を高いレベルで実現した数少ない成功例と言える。FLEETWOOD MACでは、”Dreams”や”Rhiannon”、”Gypsy”、”Sara”など、憂い、陰りのあるタイプの名曲を生み出していたスティーヴィーだが、ソロでは、バンドの延長線上の曲だけではなく”Edge of Seventeen“といったロック・ナンバーを始め多彩な楽曲もあり、バンドとは一味ちがう魅力を見せてくれている。
このライヴ音源も、スティーヴィーのソロ、およびFLEETWOOD MACの代表曲のオンパレードで非常に充実した内容となっている。また81年、86年、89年という3つの異なる時期の音源という事で、スティーヴィーの音楽スタイル、歌唱スタイルの変化を聴き比べる事ができるのも面白い。なお、一部、元の放送で用いられたラジオ局のコメントが残っているが、箇所は少ないし、歌に被っている訳ではないので、それ程、気になるものではない。
Transmission Impossible / Stevie Nicks
CD1:1.Introduction by Stevie’s Father、2.Gold Dust Woman、3.Gold and Braid、4.I Need to Know、5.Outside the Rain / Dreams、6.Angel、7.Leather and Lace、8.Stop Draggn’ My Heart Around、9.Bella Donna、10.Sara、11.How Still My Love、12.Edge of Seventeen、13.Rhiannon
73min, From a Live FM Broadcast recorded at Wilshire Ebell Theatere,Los Angeles, 12/13/1981
CD2:1.Outside the Rain、2.Dreams、3.Talk to Me、4.I Need to Know、5.Beauty and the Beast、6.Leather and Lace、7.Stand Back、8.Stop Draggin’ My Heart Around、9.How Still My Love、10.Edge of Seventeen、11.Rhiannon
71min,From a Live FM Broadcast recorded at Cuyahoga Fairground, Weedsport, 8/15/1986
CD3.Introduction,2.Outside the Rain、3.Dreams、4.Rooms on Fire、5.Gold Dust Woman、6.Stand Back、7.Alice、8.No Spoken Word、9.Beauty and the Beast、10.Whole Lotta Trouble、11.Two Kinds of Love、12.Edge of Seventeen、13.Nightbird、4.Has Anyone Ever Written Anything for You
76min, From a Live FM Broadcast recorded at The Summit, Huston,10/6/1989