強力なツイン・ヴォーカルをフィーチャーしたOZONEの1stアルバム「Self Defence」
HEARTLANDのクリス・ウーズィー、FMのスティーヴ・オーヴァーランドという強力なツイン・ヴォーカルをフィーチャーしたメロディック・ハードロック・プロジェクトOZONE(オゾン)が1stアルバム「Self Defence」をリリースした。KANSASのスティーヴ・ウォルシュと組んだSTREETSで脚光を浴びたギタリストのマイク・スラマーとRADIOACTIVE等で活動するメロディック・ロックの仕事人トミー・デナンダーも参加する超強力プロジェクトだ。
メロディック・ロック界のベテラン・ミュージシャンによるプロジェクト
イギリスのレーベルESCAPE MUSICのカリル・タークが仕掛け人となってスタートしたOZONEは、現時点では恒久的なバンドというよりは、メロディック・ロック界のベテラン・ミュージシャン達によるプロジェクトと見る方が適切だろう。日本盤ライナーノーツのインタビューによれば、アメリカ、イギリス、スウェーデンを拠点としている各メンバーが一か所に集まるのではなく、曲作りやレコーディングは、ネットでコミュニケーションをとりながら進められた様だ。昔の様に過密スケジュールを調整してスタジオに集まらずとも、ネットを介し共同で曲作りも行える今の時代は、この様なプロジェクトを進めやすい時代と言えるだろう。
力強いツイン・ヴォーカルと素晴らしいギターワークがちりばめられたアルバム
アルバムに収録された12曲(日本盤はVisionary Manの別テイクを含む13曲)のクレジットは4人の共作となっているが、マイクとトミーのそれぞれがベースとなるリフやコードを書き、シンガーの二人が歌詞と歌メロという分担となっている様だ。曲ごとのクレジットが無いので、どの曲を誰が主体で書いたかは断言できないが、各曲を聴く限りでは、マイクのギター・オリエンテッドなアプローチと、トミーのギター中心でありつつも、TOTOのルーツを感じさせる繊細なアレンジの曲が上手くブレンドされている印象を受ける。力強いツイン・ヴォーカルと素晴らしいギターワークがちりばめられた本作は、母体となっている各バンドのファンだけでなく、メロディアスな曲を愛するハードロック・ファンにも強くアピールする内容だ。