伝説のハードロック・バンドLED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)が、バンド活動時代に唯一残したライヴ映像「The Song Remains the Same(1976年、邦題:狂熱のライヴ)」を、ライヴ会場に設置した巨大スクリーンと、音響設備で体験するという、一夜限りの「ライヴ絶響上映」が、9月14日に、東京、名古屋、大阪のZeppで開催された。近年、こいったライヴ作品を映画館等で、巨大画面、高音質、大音響で楽しむ、という企画が数多く開催されている。ライヴ映像そのものは、DVDやブルーレイで一般に手に入るものが殆どだが、いくらハイビジョン大画面テレビが一般化していても、映画館やライヴ会場のスクリーンの比ではない。一般家庭で出せる音量にも限界がある。ヘッドフォンも良いが、音圧を耳よりも身体で感じることができるのがライヴの醍醐味でもある。
写真:会場で無料配布されたパス・ステッカーと耳栓(後ろのBlu-rayは配布物ではありません)
LED ZEPPELINは究極のライヴ・バンドであるが、来日公演は1972年以降、実現する事はなかった。その来日公演の後、73年に収録された全盛期のライヴを疑似体験できる機会とあって、平日開催にも関わらず、東京Zepp Diver Cityには数多くの観客が訪れた。上映の冒頭で、日本のメタル・ゴッド、伊藤政則氏がMCで登場。なんとその、前週にロンドンでジミー・ペイジ(Gt)の取材をしてきたそうで、取材のこぼれ話などファンには、たまらないトークを披露して場内を盛り上げていた。
そして、いよいよ本編。内容自体は、既発のリマスター映像と同じなので、特段のサプライズはなく、もう何十回、何百回?と本作を見たファンにはおなじみのシーンではあるが、やはり迫力が違う。筆者が特に感激したのは、やはりジョン・ボーナムのドラム・サウンドだ。当然ながら、ボーナムのドラミングを生で見た事は無く、この音量、音圧で体感するドラミングは、映像とはいえ、圧巻の一言だ。恥ずかしながら、生のライヴでも通常のドラム・ソロ・タイムはそれほど得意ではない筆者だが、ここで見た"Moby Dick"は例外中の例外だった。他にも"The Song Remains the Same"の重圧感と疾走感が同居した独特のリズムなど、終始圧倒されっぱなしであった。
この「ライヴ絶響上映」はシリーズで開催される事になっており、次回は10/14、METALLICAニューアルバム発売記念として「Through the Never」が上映される事になっている。観客の年齢層のせいだろうか、今回は見当たらなかったが、この上映会は、通常のライヴ同様に、上映中のスタンディング、歓声、手拍子、もちろんヘドバンもOKなので、新作リリース後に遠からず実現するであろう次の来日公演に向けてMETALLICAのライヴを"身体で予習"して見るのも良いのでは?
なお、下記にあるイベントのオフィシャル・サイトでは上映希望作品のリクエストも受け付けている。蛇足ながら、筆者からは、コージー・パウエル(Dr/故人)在籍時のRAINBOWのライヴをリクエストさせて頂いた。
一夜限りの絶響上映「メタリカ・スルーザ・ネヴァー」
10/14 東京・Zepp Diver City、大阪・Zepp Namba 19:30スタート
詳細:オフィシャルHP