8月に3rdアルバム「Celestial Nocturne(セレスティアル・ノクターン)」をリリースしたメランコリック・ゴシック・メタル・バンドeleanor(エレノア)が、アルバム・リリースに伴う"Celestial Nocturne Tour 2016"を、東京・吉祥寺クレッシェンドからスタートさせた。今回は、そのツアー初日のライヴ・レポートをお届けする。

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アルバム「Celestial Nocturne」の1曲目インスト"Fall from Grace"のイントロ・パートが流れ、ステージの幕が開きヴォーカルを除くメンバーが登場、そのまま原曲どおりの流れでバンド・パートをプレイする形でライヴはスタートした。哀愁漂う美しいギター・メロディに、eleanorの東京帰還を待ちわびたファンが歓声を上げる。2曲目、ニュー・アルバムからPV制作された"Defying Gravity"で、ヴォーカルのShiori Vitusがステージに登場。冒頭から表現力豊かなアクションを交えた、伸びやかなヴォーカルを聞かせてくれる。

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アルバム随一の疾走系ナンバーをLupin(Ba)とサポートのKegoi(Dr/No Limited Spiral)が安定感抜群のリズムを叩き出す中、間奏ではNaoIppeiのツイン・ギターが、単独ソロ、ハーモニー・ソロを交互に繰り出す。単独ソロでは音数の多いテクニカル系のNaoと、メロディアス系のIppeiという感じのコントラストが印象的だが、ツイン・ギターのパートでは息の合ったハモりでツイン・ギターの相性の良さを感じさせる。

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2曲が終わったところで、ShioriのMCが入り、ニューアルバムからの"Solitude"が始まる。eleanorが掲げる「メランコリック」という言葉を象徴するような、美しくも悲しげでドラマチックな曲だ。朗々と歌い上げるShioriのヴォーカルも、ギターメロディも、ただただ美しい。アルバムで大々的にフィーチャーされているヴァイオリンも重要なアクセントになっているので、ぜひ、生演奏でライヴでの共演を期待したい。

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曲はそのまま、"Solitude"と対をなすとされる曲、前作からの"Mourning"へと続き、ここではShioriとJet Rumiの見事なヴォーカル・コンビネーションを見せてくれる。Rumiはコーラス&パーカッションというパート表記以上に、そのステージングで重要な役割を果たしている事が分かる。立ち位置はステージの後方だが圧倒的な存在感を放っていた。

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ここでリーダー、ギタリストのIppeiのMCが入り、新作から"Eternal Moment"がプレイされる。アップ・テンポなメランコリック・ナンバーで、どことなく、80年代邦楽的な雰囲気が感じされ、HR/HMのファン以外にもアピールする魅力のある曲だ。セカンド・アルバムからスロー・テンポでヘヴィな展開と美しい旋律を併せ持った"Once"を挟み、同じくセカンドからの"Prayer"でライヴは終盤へ向かう。本編のラスト"War Cry"では「ヴァイキング・メタル」に通じる、という曲のイメージに合わせて、Rumi、Shioriのソード・パフォーマンスもあり、大きな盛り上がりでライヴは終了した。

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アンコールを求める声に導かれて、再度、バンドが登場し、アンコールとして、セカンドから"Fatal Movement"、そして1stから"Sorrorw"の名曲2曲が披露され、eleanorのメランコリック・ライヴは幕を閉じた。

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結成10周年目に作り上げた充実のニュー・アルバムの楽曲も、それ以前の曲も「メランコリック・メタル」というeleanor独自の音楽性を、美しく哀しいメロディと圧倒的なステージングで、十分に堪能させてくれる密度の濃いライヴであった。10月以降も新作リリースに伴うライヴが組まれているので、是非、アルバムと共にライヴ会場でeleanorの音楽を体感して欲しい。

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9/3 吉祥寺クレッシェンド(東京)

1. Fall from Grace、2.Defying Gravity、3.Solitude、4.Mourning、5.Eternal Moment、6.Once、7.Prayer、8.War Cry、encore:1.Fatal Movement、2.Sorrow

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Celestial Nocturne TOUR 2016

10月9日 (日) 大阪・心斎橋パラダイム
10月22日 (土) 京都・四条MOJO
11月26日 (土) 名古屋・今池3STAR
12月3日 (土) 大阪・心斎橋パラダイム
12月23日 (土) 名古屋 ・HOLIDAY NEXT

チケット、その他詳細:オフィシャルHP

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