ニュー・アルバムは、ジェフ・ウォーターズ自らがヴォーカルも兼任
カナダのスラッシュ・メタル・バンドANNIHILATOR(アナイアレイター)が2年ぶり、通算15枚目となるアルバム「Suicide Society」をリリースした。前作「Feast」までと大きく異なる点は、2003年からバンドに在籍していたリズム・ギター兼シンガーのデイヴ・パデンが脱退し、本作ではジェフ・ウォーターズ(ギター)が全面的にヴォーカルも担当している点だ。アルバムでジェフがヴォーカルを兼任するのは97年の「Remains」以来となる。デビュー当時こそレーベルの意向でバンドとしての体裁を保っていたが、デビュー当時から現在までANNIHILATORは常にジェフのプロジェクトであり、誰がメンバーになろうと基本的な音楽性は変わらない。
切れ味鋭いリフがさく裂する、期待どおりのANNIHILATOR
聴けばすぐに分かるジェフ独特の切れ味鋭いリフがさく裂するタイトル・トラック、Suicide Societyからアルバムはスタートする。時にジェフ自身の音楽的な指向の変化でファンが期待する内容とは異なる作品を作ってきた事もあるジェフであるが、この曲だけで本作はいつものANNIHILATORである事が分かる。基本的にはスラッシュ・メタルと言える音楽性であるが、ジェフが得意とする複雑なリズムや、ドラマチックに展開する曲も収められている。普段は別のメンバーにヴォーカルを任せているジェフだが、ヴォーカルも決して下手ではない。広いレンジで歌い上げるタイプでは無いが、メロディ・ラインがしっかりした曲もあり、アルバムでは勿論、ライヴでも複雑な曲をプレイしながら、キッチリとしたヴォーカルを聞かせてくれる。
来日公演の実現を!
地元カナダやアメリカよりもむしろヨーロッパでの人気が高い事もあり、世界中を回るようなツアーは行わず、夏フェスのシーズンに合わせて重点的にヨーロッパをツアーする形が多い。その為、久しく来日公演は行われていないが、毎回、日本でもアルバムがリリースされ固定的なファンも多く存在するので、本作での来日を実現させてほしい!