メンバーチェンジを経たINNERWISHのニューアルバムが登場!

ギリシア出身のメロディック・パワー・メタル・バンドINNERWISHが2010年の「No Turning Back」に続くアルバム「InnerWish」をリリースした。2006年のサードアルバム「Inner Strength」が日本を含む世界中で高く評価され、バンド史上最高傑作とも言える「No Turning Back」で一気にヨーロッパを代表するパワー・メタル・バンドとして知名度を上げた彼らだが、ドラマーとシンガーの脱退により、長い沈黙を余儀なくされていた。充実したアルバムを立て続けにリリースして一気にブレイクスルーを狙ったバンドの活動は、一時的に停滞をしてしまうが、バンドはその間も曲作りを続け、ついにGeorge Eikosipentakis(vo、ex FRAGILE VASTNESS, ART OF SIMPLICITY)、Fragiskos Samoilis(Dr)を迎えた新しいラインナップで復活、ニュー・アルバム「InnerWish」を作り上げた。新生INNERWISHへの意気込みがセルフタイトルのアルバム名からも伝わってくると同時に、その名にふさわしい素晴らしいアルバムだ。

従来の音楽性を進化させたアルバム

バンドのラインナップは新加入の George(vo)、Fragiskos(Dr)、そしてThymios Krikos(Gt)、Manolis Tsigos(Gt)、Manolis Tsigos(Ba)、George Georgiou(Key)という6人編成だ。新ヴォーカルのGeorgeは、ハイトーン主体だった前任のBabis Alexandropoulosと比べると、ミドル・レンジのパワフルな声質が特徴的だ。Georgeの力強いヴォーカルを前面に押し出すように、よりリフ・オリエンテッドでパワフルな曲が多くなっている。オープニングのRoll the Diceの出だしだけを聴くと、音楽性が大きく変わったように感じるかもしれないが、サビ~ギターソロ辺りに来ると、独特のメロディアスなフレーズもあり、音楽性が全く変わった訳ではない事に気づく。ドラマッチックなZero GroundやバラードのCross the LineではGeorgeの豊かな表現力なヴォーカルも聴くことができる。ツイン・リードや壮大なアレンジの曲も健在で、従来のINNERWISHの音楽性を進化させたアルバムと言えるだろう。

INNERWISH「InnerWish」

1. Roll The Dice、  2. Broken、  3. Modern Babylon、  4. Machines Of Fear、  5. Needles In My Mind、  6. My World On Fire、  7. Rain Of Thousand Years、  8. Serenity、  9. Sins Of The Past、  10. Through My Eyes、  11. Zero Ground、  12. Cross The Line、  13. Tame The Seven Seas