まもなくセカンドアルバムをリリースするTHE WINERY DOGSはリッチー・コッツェン、ビリー・シーン、そしてマイク・ポートノイによるスーパー・トリオだ。2013年にデビューアルバムをリリースし、日本を含むツアーを行った後は大体的な活動はしていなかったが、新作をリリースする事で今後の活動が活発化するだろう。
ドラマーのマイク・ポートノイはTHE WINERY DOGS以外にも数多くのバンドを掛け持ちしており、この1年半あまりの間で、在籍する全てのバンドでアルバムをリリースする事になった。昨年から今年にかけてマイクが全面的に参加した作品は、TLANSATLANTICでオリジナルアルバム「KALEIDOSCOPE(万華鏡幻想/2014年)」、ライヴアルバム「KaLIVEoscope(2014年)」の2作品、FLYING COLORSのセカンドアルバム「SECOND NATURE(2014年)」、そしてNEAL MORSE BANDでのオリジナルアルバム「THE GRAND EXPERIMENT(2015年)」とライヴアルバム「morsefest!2014 (2015年)」だ。さらにMEGADETHのデヴィッド・エレフソン、TESTAMENTのアレックス・スコルニックとのプロジェクトMETAL ALLEGIANCEもアルバムリリースを控えている。A.J.ペロを失ったTWISTED SISTERのファイナル・ツアーにも参加する予定だ。2010年、実質的なリーダーだったDREAM THEATERを電撃脱退しAVENGED SEVENFORLDのサポートドラマーとして来日して以来、殆ど休むことなく活動を続けている。
昔から他のパートに比べてドラマーは数多くのセッション活動に参加するケースが多い。一般的に作曲者としてクレジットされる機会が少ないドラマーは、有名バンドの正式メンバー以外はセッション活動を頻繁に行う事はなければ成功できないと言われてきたが、マイクの場合は当てはまらないだろう。DREAM THEATERでは作詞、作曲にも関わっていたし、ドラマーとしても超一流なのは誰もが認めるところだ。生活の為にプレイする必要など無く、やりたい事だけをやるマイペースな活動が許されるはずだ。しかし今のマイクには、このハイペースこそがマイペースなのかもしれない。どのバンドでもマイクは自分のスタイルを変えずにプレイを楽しんでいる。ドラムだけではなく、時にはヴォーカルも担当し、ライヴではマイクを握りMCも行う。常に曲を書き、レコーディングを行い、ツアーをするという生活をマイクは楽しんでいるのだろう。DREAM THEATER時代と比較すればライヴ会場のキャパは小さめでステージセットもシンプルだ。要塞の様なドラムセットも無い。それでも、参加するそれぞれのバンドで個性豊かなメンバー達との演奏を楽しんでいる様子が数多くリリースされているライヴ映像から見て取れる。