Pure Metal Spirits vol.5(吉祥寺クレッシェンド)でのライヴを終えた、HELLHOUNDのCrossfire(Vo & G)に話を聞いた。
HELLHOUND / Crossfire (Vo & G) が、曲作りへの拘りや、日本のメタル・シーンについて熱く語る!
Live Land(L): 今日のライヴ終えて、どんな感想をお持ちですか?
Corssfire(C) : 皆、盛り上がってくれて、良かったと思うよ。うまく行ったんじゃないかな。
L: 今回ライヴはSEVENTH SONの15周年記念という事でしたが、HELLHOUNDにも長い歴史があります。ライヴ中のMCでDragonblaster(ドラム)さんが、今回が99回目のライヴと言ってましたね。
C: ああ、99回目、そうらしいね。全然、知らなかったけど(笑)
L: 99回のライヴの中には、2014年のWACKENへの出演も含まれています。少し前の話になりますが、WACKENでプレイして何を感じましたか?
C: あそこに行ってプレイすれば、絶対に「また出たい!」と思う。そういう場所なんだよね。だから、WACKENでプレイして、音楽をやる目的がよりハッキリした。WACKENに出るなんて、俺たちみたいなバンドからすれば夢物語の様な事だよ。でも、それが実現出来る事だと分かって、バンドを続けていくモチベーションが更に上がったね。
L: HELLHOUNDを長く続けてきているCrossfireさんから見て、最近の日本国内のメタルシーンはどの様に映ってるんでしょうか?具体的な例をあげれば、最近は、女性だけのバンド、或いは女性をフロントにしたメタル・バンドが人気があります。男性のメタル・バンドでもビジュアル風だったり、それぞれが良い音楽を作っていると思いますが、HELLHOUNDの音楽とは少し違います。
C: 彼ら、彼女らがやってる音楽は「メタル系」の音楽であって、俺たちがやっているヘヴィ・メタルとは違う。メタルのエッセンスを別の音楽に上手く取り入れてやっているな、と思っている。だが「メタル系」なんだよね。一方で、俺たちの音楽はメタル以外の何物でもない。勿論、俺たちにもメタル以外のルーツはあって、HELLHOUNDの曲が影響される事はある。でも、最終的に俺たちが作る音楽は「メタル系」ではなく「ヘヴィ・メタル」なんだよ。そこが全く違う所。
L: Crossfireさんがメタル以外の音楽的なルーツを持っている事は、SNSを見ていると分かります。そういった他のジャンルの音楽がHELLHOUNDの曲作りにどう影響しているんでしょうか?
C: 俺が曲を書く時に、大事にしている事は、メタルである以前に、良い曲を書かなきゃいけない、という事。キャッチーで覚えやすい、親しみやすい曲を作ることが重要だと思ってる。最初から「メタルの曲を書く!」とかやってると訳が分からなくなるから「良い曲」を書く事に集中しないとダメ。BEATLESがShe Loves YouやPlease Please Meを作ったのと、音楽性は違っても本質は一緒だよ。俺の場合は、それほど楽器が上手い訳じゃないから、自分の頭で覚えられる様な曲しか書かない。でも、それが曲作りの神髄なんだよ。その上で、書いた曲が吐き出される時に、俺はメタルが好きで、メタル・ミュージシャンだから、それがヘヴィ・メタルの曲となって出てくるという事。曲を作るという事においては、BEATLESも、RUSHも、IRON MAIDENも、JUDAS PRIESTも変わらない。
L: なるほど。その様にして書かれた新曲のSign of Heavy Metalが、Amazonのメタル・チャートでBABY METALを抑えて一位になりました。この事をどう受け止めていますか?
C: なんだこれ?って感じだったな(笑)あの曲を、シングルとして、配信という形式でリリースをした事は、さっきの曲作りの話とも繋がっていて、シングルとしての配信なら、アルバムよりも手軽に聴いて貰えるし、配信という手段にした事で世界中に届ける事ができる。BEATLESも、最初の頃は先にシングルを作って、それを集めてアルバムにしていた。今のHR/HMはシングルではなくてアルバムありきの音楽になっているけど。今回、俺たちは、シングルとして「この曲いいでしょ?」と提示をした。それがああいう結果になった。
俺は立場的に、いろいろな所でBABY METALについて質問されるけど、ハッキリ言って、BABY METALの音楽は全く好きじゃない。でも、彼女たちが世界でウケている事は分かってる。で、(Amazonでの結果は)BABY METALのファンから「お前ら、キライとか、そんな事言ってるけど、そんなもんじゃん」と思われている事への回答だと思う。それは全てのメタル・ファンが同じ事を思ってたと思うよ。「俺はヘヴィ・メタルが好きだけど、でもBABY MEATLの方が売れてるよな」とね。だから、まぐれとは言え、ああいう事が起こったのは、非常に嬉しいし、ヘヴィ・メタル的に良かったと思っている。
L: 私もとても嬉しかったです!では最後に、まだ今年の予定も残っている中ですが、来年はHELLHOUNDとしてどの様な活動をしていきたいと考えていますか?
C: 次のアルバムを作りたいね。できれば暖かくなった頃から制作を始めて、来年中にはリリースしたいと思っている。
L: ニュー・アルバムを楽しみにしています。ありがとうございました!