whitesnake 2015

オープニングのBurn(紫の炎)から会場の盛り上がりは最高潮!

WHITESNAKE(ホワイトスネイク)の、THE PURPLE TOUR日本公演のファイナルが東京国際フォーラムAで行われた。LOUD PARKの直後、来週にはDEF LEPPARDが来日という時期ではあったが、WHITESNAKEクラスになれば、日程の有利不利などは、あまり関係ない様で、東京国際フォーラムAは、ほぼ満員の観客で埋め尽くされていた。会場のBGMがTHE WHOのMy Generationになると開演の合図だ。ステージが暗転しメンバーが現われると会場は一気に大歓声に包まれた。

オープニング・ナンバーはBurn(紫の炎)だ。デヴィッド・カヴァーデイル(David Coverdale)のデビュー曲にして、ハードロック史に残る名曲で、会場の盛り上がりは一気に最高潮に達した。Burnのギター・ソロはレブ・ビーチ。オリジナルのリッチー・ブラックモアのフレーズを踏襲しながらも最終的には、得意のタッピングに持っていく。リッチーのソロ・スタイルが頭に染みついているので、どうしても違和感があったが、これはトリビュート・バンドのライヴではない。レブや新ギタリストのジョエル・ホークストラが自分のスタイルでプレイするのは当然と言えば当然だ。

カヴァーデイルのルーツで聴くことができた「あの歌声」に感動

今回のジャパン・ツアーは、東京だけ曲順の入れ替えがあり、Stormbringer(嵐の使者)、Love ain’t No Stranger、The Gypsy、Give Me All Your Loveと続いた。カヴァーデイルの歌は、時々苦しさが感じられたが、バックのコーラスや客席との掛け合いを上手く使っていたので、盛り上がりに水を差される様な事はない。

個人的な感想だが、You Keep On Moving、Ain’t No Love in the Heart of the City、Mistreated。この3曲を見事に歌い上げたカヴァーデイルのパフォーマンスは、これまでの中でベストと思えた。オリジナル・テイクや80年代初頭までのライヴ・テイクで心を震わされた「あの歌声」を感じる事ができたからだ。Deeper the LoveやIs This Love、Forevermoreといった曲でも味わい深い歌声を聴くことができる。だが、やはりカヴァーデイルのルーツとも言える曲で聴けたのが嬉しかった。また、間にギター・ソロがあったものの、この3曲を続けて演奏してくれたのも良かった。そして、Soldier of Fortune(幸運な兵士)。これまでアカペラやキーボードだけで歌われる事が多かったこの曲は、「The Purple Album」とも少し違うシンプルなバンド・アレンジ、ある意味70年代的とも言えるアレンジで再現された。語り掛けるように歌うカヴァーデイルの歌声が印象的だった。

サプライズで幕を閉じたジャパン・ツアー・ファイナル

ここまでカヴァーデイルの歌声を堪能できれば、もう十分と感じたところで、ショウは一気にラストスパート、Fool for Your Loving、Here I Go Againというヒット曲の連発で、カヴァーデイルもこれが最後と言わんばかりの熱唱だ。そしてアンコールは定番のStill of the Night。たまには別の曲で締めてほしいと少し思ったが、ラストに相応しい名曲である事に違いはない。

これで終わった、と思っていると、ジョエルがなぜかギターを再び手にしている。そしてBad Boysのリフが!想像もしていなかったサプライズだ!Love Ain’t No StrangerやStill of the Nightでは、微妙な雰囲気になりがちな掛け合いもバッチリ決まる。「I know you !」「You know me !」欧米ではともかく、日本ではこれくらいシンプルなのが一番だ。途中からかカヴァーデイルは客席に降りて最前列で歌っていた。こんな展開も今まで見た事がない。いろいろな意味で最高のWHITESNAKEのライヴ!と言える夜だった。

WHITESNAKE 11/2 東京・国際フォーラム・セットリスト(setlist.fm)