フィル・コリンズが引退宣言を撤回
ミュージック・シーンの表舞台から遠ざかっていたフィル・コリンズ(Phil Collions)が、引退を撤回し、ソロ・アルバムの制作とライヴ活動の再開を宣言した。海外メディアRolling Stoneのウェブサイトが、フィルの言葉を引用しながら、復帰を決意するに至った経緯と、活動予定について紹介している。
GENESIS(ジェネシス)やソロ、また音楽以外では俳優としてもその才能を発揮し、ドラマー、シンガー、ソングライターとして長くミュージック・シーンのトップに君臨していたフィルだったが、聴力や身体的な支障によりプレイする事が難しくなった、として2010年のモータウンカバー「Going Back」を最後にアルバム・リリースをしていない。
「14才と10才になる息子たちが、父親がプレイするのを見たいと思っているんだ」
復帰についてフィルは「14才と10才になる息子たちが、父親がプレイするのを見たい思っているんだ。俺が前にツアーをした時、彼らはまだ赤ん坊だったからね。」と語っている。フィルは2008年に離婚をしており、息子たちと会う事ができない時期が続いていた。当時を振り返り「俺は真っ暗闇の中にいた。毎日テレビを見ながら酒を飲む生活をしていた。殆ど死んだようなものだった。だが、この3年間、酒は全く飲んでいない。」と語っている。別れた家族が住むマイアミへ居を移したのをきっかけに、再び息子たちと触れ合う事ができるようになったフィルの心の闇は晴れ、今回の復帰の決意につながった様だ。
また、懸念される健康上の問題については、長年の治療の後、主治医から伝えられた言葉は「ドラムをもう一度プレイしたければ、あと必要な事はドラムの練習だけです。」だったそうだ。つまり健康上の問題はクリアされた、という事だ。フィルは、盟友リーランド・スカラー(ベース)、ジェイソン・ボーナム(ドラム/LED ZEPPELINのドラマー、故ジョン・ボーナムの息子)と共にスタジオでリハーサルを繰り返した。
オーストラリアや極東(Far East)でプレイしたい、と語るフィル
フィルは1ケ月以内には自身のスタジオで新作のレコーディングに入る予定で、フィルのマネジメントは既にワールドツアーを計画中だ。フィルは「それほど長いツアーにはならない」しかし「オーストラリアのスタジアムや、極東(Far East)でプレイしたい」と語っているので、来日が実現する可能性もあるだろう。
気になるGENESISの再結成については?
フィルの復帰に伴い、避けて通れないのがGENESISの再結成だ。昨年、英国BBCが制作したGENESISのドキュメンタリーでは、演奏はしなかったが、フィルを始め、ピーター・ガブリエル、スティーヴ・ハケット、トニー・バンクス、マイク・ラザフォードが集結して撮影が行われている。GENESISの再結成については、フィルは明言を避けている。「まずはソロ・アルバムが先」との事だ。いずれにしても、世紀のスーパースター、フィル・コリンズの雄姿を再び見ることができるのは、嬉しい限りだ。
出典:RollinsStone.com (英語) 'Phil Collins Plotting Comeback :I am no longer retired'