前回、GW関東ツアー初日のレポートをお伝えしたD_Driveのギタリスト、Seiji(リーダー)とYukiが、ライヴ前にLiveLandのインタビューに応じてくれた。最新アルバム「R」の話題から、インスト・バンドへの拘り、インストの枠組みを超えたライヴへの思い、音楽ルーツから最新のツアー情報まで、盛りだくさんの内容を、前半・後半の2回に分けてお届けする。
LiveLand(L):昨年11月にアルバム「R」をリリースしましたが、ファンの反応はいかがですか?
Seiji(S): 1stや2ndから聴いてくれている方も「ダントツで"R"が良い」と言って下さいます。アルバム自体も、それから新曲のライヴでの演奏についても、両方で良い反応を頂けていますね。
Yuki(Y): ライヴの物販では、D_DriveR(D_Driveファン)の方が、初めて私たちのCDを選んでいる方に「R」を勧めて下さってます。「R」は音質面でもかなり拘って作りました。もちろん、1stも2ndの時もアルバムを作る時には、常にその時のベストを尽くしてきましたが、今回は更に拘って作りました。その点が、皆さんから良い評価を頂いている理由だと思います。
L: 前作「Accelerator」(2011年)から暫く時間が空きましたね?
Y: 前のアルバムから「R」までの間には、シングルやDVDをリリースしていましたから、結果としてアルバムの間隔が、4年になったという事ですね。
L:前作までと「R」を比較すると、どんな変化がありますか?
S:曲に関して言えば、以前に比べて、ハードな曲が多くなっています。また、このアルバムでは、僕とYukiちゃんが4曲づつ作っていますが、クレジットが無くても、どちらが書いたか分かるくらい、2人の特徴が出ていると思いますね。それでいて、同時にD_Driveの音楽が持っている色は、アルバムを通じて一貫したものになっています。
Y:あと、ギターで言えば、今まで以上に、ハモりの要素が多くなっています。細かいフレーズまで、ハモりを入れた曲が多くなっていますね。
L: D_Driveの音楽性についてですが、プログレやフュージョンではなく、ハードロックでインスト曲だけのバンドは、とても珍しいと思います。
S: そうですね。歌のあるバンドが、数曲インストを入れたり、ソロでインスト・アルバムを作る、という事はあっても、ハードロックの形態で、全曲インストだけでやっているバンドは、日本・海外問わずD_Driveだけかもしれませんね。
L: この珍しい形態のアイデアはどういう所から出てきたんでしょう?
S: 僕とYukiちゃんが持っていた、ギターという楽器の素晴らしさを伝えたい、という思いからですね。
僕が学生の頃は、洋楽・邦楽問わず、TV番組で、普通にバンドが演奏している姿を見る事が出来ました。そこで、カッコ良くバンドが演奏している姿を見て、憧れてギターを手に取って始めた、そんな時代でした。ところが、今はバンドに憧れるキッカケが、とても少なく思えるんです。スポットの当たり方が、ヴォーカル、歌が中心になりすぎている感じがあって。勿論、ヴォーカルは重要ですが、他のパート、楽器のパートも同じです。でも、余りにもヴォーカルだけがクローズアップされすぎると、これでは一般の方がギターの面白さ、楽器の面白さに接する場が無くなってしまうんじゃないか?楽器を手に取って始めよう、というキッカケが減っていってしまうんじゃないか?そんな気持ちになったんです。
それで、僕らが、ハードロックをインストだけでガッツリとやる事で、少しでも楽器に興味を持って、手に取ってくれる人が増えてくれたら良いな、という思いでD_Driveを始めました。
L: インストのみという事で、ライヴでアウェイ感を感じる事はありませんか?
S & Y: 常にアウェイです!(笑)
S: 例えば、僕らの事を知らない方に、インスト・バンドです、と言うと、ホールに椅子とテーブルがあってお酒を飲みながら、静かに演奏を聴く、というライヴをイメージされるんですよね。
でも、今日みたいな対バン形式のライヴで、ハードロックだけではなくて、J-POPとか別のジャンルのいろいろなバンドを見に来たお客さんが集まっている中で演奏して「これがインストのライヴなの?こんなに楽しいの?また見たい!」と思って貰えるのが一番嬉しいですね。だから僕たちからすれば、アウェイ=万歳!なんです。(笑)
L: 確かに、D_Driveのライヴは、曲を知らなくても楽しい、というのは実感としてあります。通常の歌ありのバンドでも、曲を知らずにライヴを見て、あそこまで入り込めるライヴは余り無いだろうと、D_Driveを初めて見た時に感じました。
S: そう言って頂けるのが、一番嬉しいですね。(笑) 僕たちは常にそこを意識しているので。インスト・バンドだと、やっぱりギターを弾きまくって欲しい!という期待もあると思うんです。でも、僕たちの曲はギターは歌と同じで、口ずさんで貰える様なメロディを弾く事を考えています。
あと、ギター・インストなんですが、ギターだけのバンドにはしたくなかった。Shimaちゃん(Shimataro)のベースを見ても楽しい。Chiikoのドラムを見ても楽しい。普通では、ありえないかもしれないけど、D_Driveでは全員が主役なんです。
Y: ライヴの盛り上げ方も、ジャンプや掛け合いで客席との一体感を出す事は、すごく重要な事だと思っています。普通のロック、ハードロック・ファンの方に楽しんで貰えるライヴにしたいので。D_DriveRさんの中にも、普段はインストは聴かないけどD_Driveだけは別、と言って下さる方もいます。
でも、それと当時に、楽器をやっている方、マニアックな方にも楽しんで欲しい。両方を同時に成立させたい、という欲張りな思いもあって、楽しいライヴをやりながら、テクニカルな部分にも拘りはあります。
L: 確かにツイン・ギターが速弾きやタッピングでハモるとか、テクニックとしても難しいし、楽器を知らなくても見栄えがします。その意味ではD_Driveのライヴは両方にアピールしていると思います。
S: やっぱりライヴはエンターテイメントですからね。見て楽しんで貰える事は必要ですし、ライヴって楽しい!と思って頂ける様な要素を入れるのは大事ですね。
S: それに、D_Driveのライヴを見て、今まで楽器には興味が無かったという方が楽器を始めてくれたり、昔はギターを弾いていたけど今は家で埃を被っている、という方が、もう一度楽器を手にして弾いてくれたりして「D_Driveの曲をコピーしたよ」と言って貰えたり、そういう話を聞けると、とても嬉しいですね。
L: バンドとしても、教則DVDや「ナリキリD_DriveR」シリーズを作っていますね?
S: アトス・インターナショナルさんからリリースされているDVDは、メンバー全員が別々で各パートのものを出して頂いています。こちらは、奏法解説を含めた、いわゆる教則DVDです。僕らが自分で制作している「ナリキリD_DriveR」シリーズは内容が違うんです。
Y: 「ナリキリD_DriveR」シリーズは教則ビデオでは無く、解説はしていなくて、ひたすらD_Driveの曲をプレイしているところを見て聞いて、覚えていただく形です。譜面もセットになっていて、それを参考にしてD_Driveをコピーして頂けたらと思っています。
S: このシリーズには、練習用に特定の楽器を抜いたマイナス音源、カラオケ・バージョンの音源もついています。ギターだけじゃなく、ベース、ドラムそれぞれのパートのカラオケが収録してあります。これを使って完成した演奏動画をYouTubeにアップしてくれたのを、見せて頂くのが楽しいですね。(笑)
to be continued…
インタビューのPart2は近日掲載予定です。ご期待ください!
2016.4.29 本八幡ROUTE 14(千葉県市川市)
インタビュー内に登場する、D_DriveのCD、DVD、他 販売情報はこちら
D_Driveライヴ・インフォメーションはこちら