強力なエクストリーム系メタル・バンドが集まったイベントTOKYO DARK FEST 2015のレポート第二弾として、INTESTINE BAALISM、ETHEREAL SIN、VOLCANOをお届けする。
INTESTINE BAALISM
2番手に登場したINTESTINE BAALISMは、90年代初頭から活動するベテランのメロディック・デスメタル・バンドだ。1年半以上ライヴ活動を行っていなかった様で、INTESTINE BAALISMを目当てにしたファンも多く、バンドが登場するなりフロアは大きな歓声が上がっていた。ブルータルな曲の中に響き渡る、ツイン・ギターのダークなメロディが印象的だ。次々に繰り出される、メロディック・デスメタル・ナンバーは、ファンだけではなく、このバンドを初めて見たという観客にも、強い衝撃を与えたに違いない。グロウルのヴォーカル・パートの部分は完全にデスメタルだが、イントロや間奏のリフやソロ展開は、パワー・メタル的でもあり、テクニカルであると同時に美しさも兼ね備えている。30分弱の持ち時間があっという間に過ぎ去った、という感じがした。
Set List: 1.Tyrant、2.The Genuine Tone、3.A Curse Of Baal、4.Cry For The Black Sun、5.Banquet And In The Darkness
ETHEREAL SIN
フェスのトリ前、5番手として、2015年に世界最大のメタルフェス、WACKEN OPEN AIRへの出場も果たしたETHEREAL SINが登場した。ヴォーカルのYamaの怪しさと、女性Vo&キーボードMorganの美しさのコントラストが放つ強烈な個性は、TOKYO DARK FESTのステージでも存分に発揮されていた。SEのPrognus de OblivionisからFinem Millenniumでライヴをスタートさせたバンドは、フロアを一気に、その独特の世界に引きずり込む。
一度見たら忘れられない、独特のメイク&コスチュームは、勿論、このバンドの大きな特徴だが、バンドの存在感を一層際立たせるのは、やはり曲だ。「見た目」に負けないだけの強力な曲が無くては、単なるイロモノで終わってしまうが、そうではない魅力、ブラック・メタルでありながらキーボードと美しく歌い上げる女性ヴォーカルを擁する、というバンドのオリジナリティが最大限に発揮される魅力が、ETHEREAL SINの曲には備わっている。曲が持つ異様な緊張感と、笑いも起こる様なMCのギャップも、バンドの魅力の一つだろう。強力なラインナップで固められたフェスの終盤に登場するのに相応しいパフォーマンスを披露したと言える、ETHEREAL SINのライヴだった。
Set List: SE – Prologus de Oblivionis、1. Finem Millennium、2. Wolves Howl in the Lunar Eclipse、3. Reminescene、4.Faram, Journey to the End、5. Comes at the Stormy Night、6. With My Izuna、7. Blaze Dancing
VOLCANO
TOKYO DARK FESTの締めくくりは、屍忌蛇 率いるVOLCANOだ。様々な個性を持つバンドが出演したこのイベントのトリとして登場し、圧巻のライヴを繰り広げられた。見た目のインパクトという意味では、VOLCANOのライヴには、目をひく様なモノは何もない。あるのはバンドの音だけだ。それでも、十分に観客を引き付けて離さない存在感をVOLCANOは持っていた。
オープニング・ナンバーはミュー・アルバム「Melt」からのSuper Hole Stone。鋭いリフが響き渡った瞬間から、その存在感は圧倒的だった。凄まじい勢いでステージを動き回り、力強いヴォーカルを聴かせるNOVも、それとは対照的に、アンプの前に仁王立ち状態で、あまり動かずにプレイする屍忌蛇(G)も、そこから滲み出る凄味は凄まじい。曲はそのままGhostへと続く。NOVの煽りと共に、Warrior's Palyが始まり、フロアをパニックの如き状態に陥れる。コール&レスポンスも沸き起こり、会場はどんどんヒートアップしていく。あまりにも熱くなりすぎたか、NOVがステージから観客の頭上にダイブするシーンもあった。4年ぶりのアルバムとなった「Melt」からの曲を中心にしたセットリストだったが、フロアの盛り上がりが、アルバムの充実ぶりを証明している。本編では、ギター・プレイに専念していた屍忌蛇だが、アンコール前にはMCも行い、最後はVolcanoの大合唱で、ステージを終えた。
Set List: 1. Super Hole Stone、2. Ghost、3. Warrior’s Play、4. Tokyo Panic、5. The Mother Earth、6. Deep in Rain、7. Die Number Nine、8. Hero of the Story、9. Kill All of Me、Encore: Volcano