日本の音楽史に残る傑作「YELLOW DANCER」

星野源待望の4thアルバム「YELLOW DANCER」がついにリリースされた。

これは間違いなく日本の音楽史に残る傑作である。シンガーソングライターだけでなく、俳優、文筆家としても活躍中の彼の知名度は、ここ最近急激に伸び始めている。これまではサブカルチャー好きの女子に人気が高かった彼を一躍有名にしたのは、本作に収録されている「SUN」の大ヒットであることは紛れもない事実である。

もともとジャズを愛する両親の元で育ったこともあり、幼い頃からジャズやブラックミュージックに自然と接してきた彼は、小学校時代からマイケル・ジャクソンを聴くような音楽少年だった。

これまでの作品にも、ジャズやブラックミュージックの要素は見え隠れしていたが、どちらかというと、アコースティックでじっくり聴かせる曲の方が多かった。ところが、昨年リリースしたシングル「Crazy Crazy/桜の森」あたりから、彼にしか作れない作品が増えてきたような気がする。

「自分の音楽のルーツであるジャズやブラックミュージックと、幼い頃から聴いてきた日本の音楽が融合した作品が作れた」と、本人がインタビューでも答えているように、この「YELLOW DANCER」は、まさに日本のジャズ&ダンス&ブラックミュージックと言ってよいだろう。そのことは何よりもアルバムのタイトルである「YELLOW DANCER」という言葉が的確に表現している。

全体を通して、心地よいストリングスやベースラインが印象的で、このアルバムの象徴とも言える「Week End」では、思わず聴きながら踊りたくなってしまうリスナーの方も多いのではないだろうか。

ちなみに、インスト曲である「Nerd Strut」では、星野源の才能を発掘した細野晴臣がベースで参加している。音楽はもちろん、俳優としても、文筆家としても日々進化を見せている星野源。あらゆる才能と経験が濃縮された結果が、このサウンドを作り出しているのだ。