今年2枚目のオリジナル・アルバム「Makes Me Think of Home」

フィル・コリンズ脱退後のGENESIS(ジェネシス)に在籍したスコットランド出身のシンガー、レイ・ウィルソン(Ray Wilson)が、ソロ名義のニュー・アルバム「Makes Me Think of Home」をリリースした(現時点では日本盤リリースは未定)。レイは今年6月に、ソロ・アルバム「Song for a Friend(日本未発売)」をリリースしたばかりで、今年2作目のオリジナル・アルバムとなる。元々は、2枚組のアルバムとする予定だったものが、コンセプトの違う2枚のアルバムとしてリリースする事になった様だ。PINK FLOYDの"High Hopes"のカバーを含む「Song for a Friend」が、全体的にアコースティック色の強い内容だったのに対して、この「Makes Me Think of Home」は、バンド・サウンドが色濃い内容となっている。

ブリティッシュ・ロック風のサウンド

U2サウンドを彷彿とさせる、オープニング"They Never Should Have Sent You Roses"や、中盤の8分近いタイトル・トラックなど、これまで以上にブリティッシュ・ロック寄りの作風で、「上手くて渋いけど地味」というレイのイメージを覆す内容だ。ソロでも実績十分なレイだが、日本では「フィル・コリンズ後の(今一つ成功しなかった)GENESISのシンガー」以上でも以下でも無い。これは、自身のソロ・ライヴやスティーヴ・ハケットのライヴでGENESISナンバー(しかも自分の持ち歌以外の曲が多数)を頻繁にプレイしている、という事も関係しているだろう。しかし、本作は、全曲オリジナルで、且つ、全体的に80年代以降のPINK FLOYDやGENESIS的な雰囲気にアレンジされた曲が多くなっており、これまでレイの作品を敬遠してきたかもしれない、プログレ・ファンにもアピールできる作品となっている。

Makes Me Think of Home / レイ・ウィルソン

1. They Never Should Have Sent You Roses、2. The Next Life、3. Tennessee Mountain、4. Worship The Sun、5. Makes Me Think Of Home、6. Amen To That、7. Anyone Out There、8. Don’t Wait For、9. Calvin And Hobbes、10. The Spirit

文:Masashi Furukawa

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