世界最大のヘヴィ・メタル・フェスWACKEN OPEN AIR(ドイツ)で行われるMETAL BATTLEへ出場する日本代表バンドを決めるコンテスト、METAL BATTLE JAPAN(MB JAPAN)が、今年も開催される。すでにバンドのエントリ受付は開始されており、3月末まで受け付け中だ。代表バンドの座をかけた本選は2016年6月5日渋谷Ruido K2(東京)で行われる。
今年からの新たな試みとして、代表バンドのドイツへの渡航費を支援する、クラウド・ファンディング・プロジェクトやオリジナル・グッズの制作・販売も行われる。
MB JAPANのオーガナイザーである松長史朗氏(MB Japan運営総括、Red Rivet Records代表)、Davido Gardmoto氏に話を聞いた。
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L:Davido氏、R:松長氏

日本のバンドを海外へ!METAL BATTLE JAPAN

Live Land(L):まず最初にこのMB JAPANを始めた経緯から教えてください?

松長(M):昔から、日本のバンドを海外に送り出したい、という思いを持っていました。2011年にWACKEN OPEN AIRに招待して頂いた時、各国から集まったMETAL BATTLEの代表バンドがプレイしているのを見て、日本のバンドの方がレベルが高いな、と思ったんです。それで、長年親交があったMETAL BATTLEの統括の方に「日本からも代表を送りたい」と相談を持ちかけたところ、「OK、すぐにやろう!」という事になって話が進み、METAL BATTLE JAPAN(MB JAPAN)を行う事になったんです。向こうからは、逆に「なぜ、もっと早く参加しなかったんだ?」と言われてしまいましたね(笑)
 
L: WACKENで行われている、METAL BATTLEは、どういった趣旨のコンテストなのでしょうか?

M:以前は優勝バンドはNuclear Blastと契約ができる、という形で行われてきたのですが、どうしても特定のレーベル主導という中で、いろいろ運営上の課題が出てきて、2014年からはWacken Foundationという団体から、賞金が出る形に変更されました。
(賞金以外に副賞として機材贈呈や、マネジメントと対話する機会の提供等も有り。詳細はMB JAPANのHP参照)

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松長氏

L:過去に日本から4バンドが出演していますが、現地での評判はいかがでしたか?

M:一番印象的だったのは、大会史上初のアンコールが起こった、2014年のHELLHOUNDですね。出演バンドはインディーズ・バンドという条件なので、観客もバンドの事を事前にチェックしてくる事は殆どありません。その中で、彼らの曲は初めての人でも一緒に歌ったり、入り込みやすいし、(全員がデニムにサングラスという)モロにメタルというルックスもアピールしたのかな、と思います。
 
L:今年のMB JAPANの開催概要や、エントリ条件について教えてください。

M:エントリは既に始まっていて、3月末まで受け付けています。その後、審査で6~8バンドを選出して、6月5日に渋谷Ruido K2で本選を行います。本選は審査員の方以外に、一般の観客の方にも来ていただいて、その前で演奏をする形になります。
エントリの条件は、特定のレーベル契約やマネジメント契約が無いバンドに限られます。ただ、インディーズのレーベルなら大丈夫です。あと、一般の方には分かりにくいですが、ワンショットというアルバム1枚単位の契約であれば、リリース後1年が経過していれば大丈夫です。
演奏形態は、同期を使わないバンドである事。SE的に使うのはOKですが、演奏者がいない状態でバッキングの演奏が流れる、というのはNGです。最近は同期を使っているバンドが多いですが、そういう場合は、サポート・メンバーを入れて演奏すれば大丈夫です。これは日本だけではなく、METAL BATTLEの共通ルールです。

(その他、詳細のエントリ条件、ルール等はMB JAPANのHP参照)
 
L:バンドを評価するポイントというのはどんな点なのでしょう?

M:代表バンドの選出は、(何かを基準にした)点数をつけたりするのではなく、審査員の合議制で決まります。本選でのパフォーマンスを見て、総合的に各審査員が判断します。

日本代表バンドの支援プロジェクトも始動

L:今回から新しい取り組みとして、代表バンドの渡航費を支援するプロジェクトが立ち上がっています。この取り組みについて教えてください。

M:バンドの活動というのは、ただでさえお金がかかります。日々のスタジオ代だったり、機材費だったり、ライヴをやればノルマがある。そういった中で、少しでもバンドの負担を軽くできればと思って始めました。イベントの性質上、スポンサーも募りにくいという事があります。スポンサー主導になって、実際にはそんな事はしていなくても、出来レース的に思われてしまってもいけません。
同じ様な費用の問題は、世界中から声があがっており、それで、今年からMETAL BATTLEのロゴを、商用利用しても良いという事になりました。そこで、グッズを作ってその収益で、バンドを支援する事にしました。
この活動で、エントリしてくれるバンドが増えて欲しいと思っています。

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Davido氏

Davido(D):僕はWACKENのMETAL BATTLEは、メタル・オリンピックみたいなものだと思っています。オリンピックを見るとき、皆、国旗を持って応援したり、日本のTシャツや代表グッズを身につけて応援しますよね。サッカーだって代表のユニフォーム着て応援します。METAL BATTLEでも、そうやって日本代表をサポートして欲しいと思っています。皆、日本のバンドが優勝したら嬉しいですよね。
そう思って、クラウド・ファンディングでMB Japanのグッズを作って、販売する事にしたんです。

M:クラウド・ファンディングのリターンには、いろいろなグッズが含まれていますから、是非、そのグッズを買って、バンドをサポートしていただきたいと思っています。

D:僕は日本のメタル・バンドは、レベルが高いと思っています。テクニックも、オリジナリティも、インパクトも、全部素晴らしい。だから、WACKENのMETAL BATTLEで優勝できるくらいの実力があるんです。ヨーロッパでは、LOUDNESSやDIR EN GREYやCROSSFAITHといった日本のバンドは人気があります。

L:WACKENに限らず、ヨーロッパでは、今、どんな日本のバンドが話題になっていますか?

D:最近は、やっぱりBABYMETALかな。オリジナリティがあるし、インパクトも凄い。ああいうスタイルはすごく珍しいから、皆、興味を持ちますね。ヨーロッパの人は、エキゾチックな日本の分化に興味があるんです。だから、もっと沢山の日本のバンドを紹介したいと思っています。

M:ヴィジュアル系のバンドとか、ガールズ・バンド、プレイヤーも含めてメンバーが全員女性のバンドというのは、海外では少ないから、話題になります。JAPAN EXPOみたいなイベントにも出てますしね。

L:最後に、WACKENを目指すバンドやメタル・ファンにメッセージをお願いします。

M:とにかく何かのきっかけになれば良いな、と思っています。WACKENに出て、意識が変わったというバンドの声も聞きます。まずはやってみてください!という事ですね。エントリして、やるだけやってみて欲しい、という事に尽きますね。

D:メタル・オリンピックの為に、日本のバンドをサポートしよう!応援してください!

2016年1月17日

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