9/27に日本先行リリース(海外は10月)となる、ジェフ・ベック(Jeff Beck)の最新ライヴ作品「Live at the Hollywood Bowl」は、ジェフの50周年を記念するライヴに相応しく、スティーヴン・タイラービリー・ギボンズ(ZZ TOP)ヤン・ハマー、バディ・ガイ等、豪華なゲストが入れ替わるように登場する豪華なライヴを収録した貴重なライヴ作品だ。しかし、その一方で、実際に通してライヴ映像を見てみると、セットリストこそ、YIRDBIRDSJEFF BECK GROUP等、キャリア初期の楽曲も数多くプレイされているものの、それらの曲をプレイするジェフは、現在進行形で進化するギタリストである事を実感する。

ロージー・ボーンズ、カーメン・ヴァンデンバーグという若き女性ミュージシャンを大体的にフィーチャーした最新アルバム「LOUD HAILER」からの “The Revolution Will Be Televised”で幕をあける。広い野外会場のステージを左右に移動しながら、メガホンをマイクかわりに歌うロージーの姿と、客席との間には心なしか微妙な距離感が感じられる。しかし、主人公のジェフはそんな事は我関せずという様子で、クールにロージーの歌のバックでギターを刻む。このあたりのマイペースぶりもジェフらしい。実際には1曲目の後は、ジミー・ホールやヤン・ハマーが登場して、暫くの間、ジェフの代表曲が立て続けにプレイされる構成になっているが、ジェフ自身のプレイがあまりにも自然体、「普段のジェフ」そのままで、ライヴ自体も、ゲスト以外は特に凝った演出も無いので、セットリストに並ぶ曲名から想像するほど、懐古的なショウにはなっていない。50周年を迎えたジェフの衰えを知らぬ「現在の姿、プレイ」を楽しめるライヴ作品となっている。

Live at the Hollywood Bowl / ジェフ・ベック

1. The Revolution Will Be Televised、2. Over Under Sideways Down 、3. Heart Full Of Soul 、4. For Your Love 、5. Beck’s Bolero 、6. Medley: Rice Pudding / Morning Dew 、7. Freeway Jam 、8. You Never Know 、9. ‘Cause We’ve Ended As Lovers 、10. Star Cycle 、11. Blue Wind 、
12. Big Block 、13. I’d Rather Go Blind 、14. Let Me Love You 、15. Live In The Dark 、16. Scared For The Children、17. Rough Boy、18. Train Kept A’Rollin’、19. Shapes Of Things、20. A Day In The Life、21. Purple Rain