DEATH、OBITUARY、ICED EARTH、SAVATAGE等、数多くのメタルバンドを生み出してきたアメリカ、フロリダから、また一つ強力なバンドが登場した。SEVEN KINGDOMSは、2007年に結成された5人組のパワー・メタル・バンドで、今年が結成10周年だ。その記念すべき年に、バンドの最高傑作となる4thアルバム「DECENNIUM(デセニウム)」で遂に日本デビューを果たす事となった。SEVEN KINGDOMSは、カムンデン・クルス(Gt)、サブリナ・クルス(Vo)、ケヴィン・バード(Gt)、キース・バード(Drs)、アーロン・スラス(Ba)からなる5人組だ。紅一点のメンバー、サブリナは2ndアルバムから加入した2代目シンガーで、初代のシンガーはブライアン・エドワーズという男性シンガーが務めていた。音楽性の相違からバンドを脱退したブライアンだが、現在でもサポート・メンバーとしてキーボードをプレイしている。

アメリカ出身のバンドであるが、メロディアスでドラマティックなパワー・メタル・スタイルは、欧州的な雰囲気を感じさせる。テクニカル・スタイルの中にメロディが映えるギターと、ツーバスを多用し手数の多いドラミング、そしてサブリナがパワウル・ヴォイスで歌いあげる正統派パワー・メタル・スタイルの楽曲は強力で、パフォーマンスも、アルバムの完成度も非常に素晴らしい。HELLOWEEN、GAMMA RAY、QUEENSRYCHE、STRATOVARIUS、AMARANTHEといったバンドのライヴのオープニング・アクトやサポートを務めた実績が、その実力と音楽性を物語っている。

この逸材がなぜ、これまで日本デビューをしていなかったのか不思議な程だが、バンドがクラウドファンディングで資金を集め、自主制作した本作の素晴らしさを認めた、欧州の名門レーベルNapalm Records(ALESTORM、UNLEASH THE ARCHERS、GLORYHAMMER等が所属するレーベル)との契約を勝ち取った事で、日本を含むワールド・ワイドな配給に繋がった様だ。Napalmは、この最新アルバムだけでなく、SEVEN KINGDOMの過去の全てのアルバムを一気にリイッシューしており、レーベルの期待と気合が伝わってくる。なお、本作の日本盤には、2016年リリースのEP「In the Walls」全曲がボーナストラックとして収録されている。

Decennium (デセニウム) / SEVEN KINGDOMS

1.Stargazer、2.Undying、3.In the Walls、4.The Tale of Deathface Ginny、5.Castles in the Snow、6.Kingslayer、7.The Faceless Hero、8.Neverending、9.Hollow、10.Awakened from Nothing、11 In the Walls (EP version)*、12.Undying (EP version)*、13.The Bloody Meadow(re-recorded)*、14.Stormborn(re-recorded)*
*Bonus tracks for Japan