4月の下旬、ネット上で大きな話題となった、オーストラリアの新世代グラム・ロックKATTOのジャパン・ツアー。来日前はそれ程話題になっていなかったが、日ごとにライヴの様子がネット上で拡散し、話題が話題を呼んでツアーがだんだん盛り上がるという、昨今では珍しい現象を見せたそのKAATOの中心メンバーであるKurt(Vo)Mika(Ba)が、ツアー中にLiveLandのインタビューを受けてくれた。今回はその前半をお届けする。

KAATO


-ジャパン・ツアーも、昨夜4/24の渋谷で8公演が終わりましたね。どんな感想をお持ちですか?

Kurt(K):俺達の夢が遂にかなったよ。それが最も適切な表現だろう。本当に日本でライヴをやりたいと長い間思っていたんだ。旅行とかちょっとした音楽活動で日本を訪れた事はあったが、こういうライヴ、ツアーがしたかった。日本のファンからもとても大きな反応が貰えているし、素晴らしいね。

Mika(M):彼の言う通りだね。素晴らしいの一言さ。毎日、ファンの前でプレイできて話ができて嬉しいよ。俺にとっても特別な出来事だよ。

K:ロックン・ロールは不滅だって事を強く感じたよ!(笑)

-ツアー初日、大阪のライヴの前はどんな気分でした?緊張や不安な気持ちは無かったですか?

K:うん、ライヴ会場に行く前は緊張してたかもね。日本のファンに、俺達のロックを見せるぞ!楽しませるぞ!って気合が入ってたからさ。でも、大阪の会場について、ステージを見て回ったりしていたら、どんどんライヴが楽しみになってきた。ライヴが始まったら、観客の反応も良くて、後はショウを楽しむ事ができたよ。

M:俺も緊張はしてたよ。だけど、1曲目が終わったらいい感触で、エキサイティングで楽しくプレイする事ができたかな。これなら大丈夫、このツアーは上手くやれる!そう思ったよ!

K:あぁ、その通りだね!

KAATO

-毎晩、ファンとミーグリがありましたね。どうでしたか?

K:ファンタスティック!

M:日本のファンは素晴らしいよ!

K:ラブリーだよ。ちょっとファンの方が遠慮がちだった気もするかな。写真を撮ったり、話をしたりする時にね。俺たちも、君たちの事をもっともっと知りたい。どこから来たの?とか名前は?とかね。

-なんとなく分かりますよ。海外のバンドと交流する機会なんてそうそうありませんから。言葉の事もあるし。ファンも緊張してるでしょう。

K:なるほどね。他のバンドの事は知らないけど、俺達は気軽に接してくれて大丈夫だよ(笑)あと、毎回、沢山のプレゼントもあってね。お菓子とかね。嬉しかったね。俺はチョコレートが大好きだからさ(笑)

-一緒にでた日本のバンドは見る機会はありました?

M:いくつかのバンドは見る事ができたよ。大阪のHELL BUMPは良かったね!クレイジーだった(笑)クールだったね!あとは、昨夜(渋谷)のQUORUMとかね。

K:うん、QUORUMは素晴らしかった!YouTubeで見てたんだよ。その時は、悪くないな、ってくらいの印象だったけど、サウンドチェックで驚いたね!「Wow !!」って感じさ。彼らと同じステージに立てて光栄だと思ったよ。

-今回のツアーは本当に素晴らしいと思います。来日前は、正直あまり話題になってなかった。でも、大阪のライヴ以降、どんどんTwitterを中心に話題になっていきました。それで知って会場に行ったファンも多かったはずです。

K:うん、そうみたいだね。最近は、特にTwitterの反応が凄くてね。少し目を離すと、通知が山のように来ていて驚いているよ!俺もSNSのパワーは理解しているけど、アメリカやオーストラリアではフェイスブックやインスタグラムが中心なんだよね。日本はTwitterなのかな?でも、いずれにしても素晴らしい事だよ。

KAATO

-今回のセットリストはどの様に選曲したんですか?

K:もっとも重要視したのは、曲の持つエネルギーだよ。そしてバラエティ。最初は、ハードな曲で初めて、途中でスローダウンして、またハードなエンディングってね。ライヴに適している事も重要だよね。そういう曲を選んだよ。(海外では)昨年リリースしたアルバム「KAATO」から、そして日本向けの2曲のボーナストラック、あとはカバーが2曲だね。

M:全て最高のロックン・ロールだろ?(笑)

-良い選曲だと思いましたよ。カバーの2曲は渋いですね。どうしてこの曲を?

K:簡単さ!俺とMikaが大好きな曲だからだよ。MOTT THE HOOLPEHUMBLE PIEが大好きなんだ。特にプレイした2曲、”Rock and Roll Queen“と”30days in the Hole“は最高さ。カバーのレパートリーは他にもあるよ、AEROSMITHとかTHE BABYS(※70年代のイギリスのロックバンド、BAD ENGLISHのジョン・ウェイトやJOURNEYのジョナサン・ケインが在籍)、CHEAP TRICKとかね。バンドのメンバーと相談して合わせてみてこれだ!って思えたのが、今回の2曲だったって事さ。

KAATO

“30days in the Hole(ほら穴の30日)”MR.BIGがカバーしてたのは知ってましたか?

K:そうなんだ?MR.BIGは勿論知っているけどね。

-KAATOのライヴのオーディエンスとHUMBLE PIEはリスナーが、あまり被らない感じなんですよ。でも、MR.BIGはファン層がバッチリ合うので、だから昨日(渋谷)のライヴも客席も歌っていて良い感じでした。

K:なるほどね!謎が解けたって感じだよ(笑)正直、カバーに関しては、自分の好みで選んでるから、いい曲には間違いないけど、有名か?とかヒット曲か?とかはあまり考えてないのさ。アンコールで「HUMBLE PIEやるぞ!」って言ってもあまりリアクションは無かったよね。だけど「”30days in the Hole”だ!」って言ったら、皆が盛り上がって一緒に歌ってくれていたのは、嬉しかったと同時に驚きだったんだ。皆が知っているのが、HUMBLE PIEでもMR.BIGでも、素晴らしい事には変わりないよ。

-今回のツアーに参加している3人のサポート・メンバーについてお伺いします。リハやジャムを除いては、本格的なライヴは初めてだと思いますが、どうでしょう?

M:アメイジングさ!彼らはアメリカのナッシュビルで活動しているんだ。ギタリストのフィルジェレミーRock n’ Roll Residency というバンドでプレイして、それがきっかけで知り合い友人になったんだ。一緒にカバー・ソングなんかをプレイして、素晴らしいと思った。

K:そう、彼らのプレイは前から知っていて、素晴らしいと思ったから、Mikaとライヴを見に行ったんだ。本当に素晴らしいミュージシャンだ。レコードでは良くても、ライヴでは今一つって事もたまにあるよね?でも、彼らのライヴはリアルでエモーショナルで、オリジナリティに溢れていた。しかも、俺達と同じ音楽性を持っていると分かったんだ。それで、今回のツアー・メンバーを集めるときに、彼らには絶対に参加して欲しいと思ったよ。フィル、ジェレミー、そしてクリストファー(Drs)と初めてステージで音を出した時の感覚は、、、、あぁ、、、もう言葉にならなかったよ。最高だった。アメイジング!毎晩、一緒にプレイするが本当に楽しくて仕方がないのさ。

-Mikaはベーシストとして、ACCEPTのクリストファーとリズム・セクションを組むことになりましたが、一緒にプレイしてみて彼のドラムはどうですか?

M:間違いなく、これまでプレイした中で最高のドラマーだよ。彼は、これまで様々なバンドで活躍してきたドラマーだ。本当にいろんなスタイルを知っていて、スグにKAATOの曲にも馴染んでくれた。だから俺もすごくプレイしやすいし、彼の様なドラマーと一緒にプレイできて、光栄だよ。

-私も昨夜の渋谷のライヴを拝見して、バンドの素晴らしい演奏に感銘を受けました。アルバムは勿論素晴らしい、でもライヴでは曲の別の魅力が引き出されていました。プレイヤーが違うというそれ以上の、なんと言いますか・・・

K:君の言いたいことは、分かるよ。レコーディングとライヴは全く別ものだからね。一緒にアルバムを作ったミッチ(マロイ)は、俺達よりもポップよりのバックグラウンドを持っていたし、アルバムではやはり、ミスのないプレイ、つまり安全にプレイする事も必要だった。ライヴではそんな必要はないし、もっとアグレッシヴにダイナミックにプレイすべきなんだ。CHEAP TRICKの有名なライヴ・アルバム「at Budokan」があるだろ?あんな感じだよ。スタジオのテイクと、ライヴは別ものなんだ。スタジオで切り貼りしすぎて、ライヴでプレイできないバンドもあるよな。俺達はそうじゃない、ライヴができるバンドだった事を証明できたと思っているよ。

to be continued…

インタビュー(2017/4/25)、写真(2017/4/24):M.Furukawa
写真☆印:KAATO提供
取材協力:ルビコン・ミュージック、KAATO JP スタッフ

KAATO


インタビュー開始直後から、日本ツアーへの喜び爆発!という感じで、普段、筆者が慣れているインタビューの倍の速度で目いっぱい話をしてくれたKurtそしてMikaのインタビュー、後半では、KAATOの音楽性、今後に迫ります。ご期待ください!

関連作品