FLEETWOOD MAC(フリートウッド・マック)に加入する以前のスティーヴィー・ニックス、リンジー・バッキンガムが、デュオとして活動していた時代に制作された唯一のフル・アルバム「Buckingham Nicks(バッキンガム・ニックス、1973年)」が、11曲もの貴重なボーナストラックと共に復刻、紙ジャケ仕様で3/8にリリースとなる。

70年代~80-年代にかけて大ヒットを連発した伝説的グループ、FLEETWOOD MACの黄金期は、この2人が在籍した時代という事に異論の余地は無いだろう。その原動力となった2人の才能が、既にFLEETWOOD MAC加入前から完成形にあった事を証明しているのが、本作「Buckingham Nicks」だ。商業的成功には至らず長く幻のアルバム扱いとなっていた本作には、大ヒットとなる「ファンタスティック・マック(1975年)」や「噂(Rumours、1977年)」に”通じる”どころか、正に同クオリティのオリジナル楽曲が収められている。実際「ファンタスティック・マック」収録の”Crystal“は本作で既に完成し、アルバム本編に収められている。また当時のライヴでは既に”Rhiannon“や”Monday Morning“もプレイされていた。

こうした有名ミュージシャンの”夜明け前”的な作品は、才能の片りんを感じさせつつも、まだ楽曲の完成度は今一つであったり、チープなサウンドだったりする事が多い。しかし、本作は、後にポップスからプログレ、ヘヴィ・メタルまで数多くのヒット作を手掛けるキース・オルセンがプロデュースした事もあり、アルバムとしての完成度も一級品だ。近年、70年代~80年代のFLEETWOOD MACやニックスのソロ作のアニバーサリー・エディションが数多く再発されているが、本作も重要な歴史の一部としてそれらのカタログに肩を並べるべき作品である。

Buckingham Nicks

1. Crying In The Night、2. Stephanie、3. Without A Leg To Stand On、4. Crystal、5. Long Distance Winner、6. Don’t Let Me Down Again、7. Django、8. Races Are Run、9. Lola (My Love) 、10. Frozen Love、11. Crying In The Night (Single Version)、12. Don’t Let Me Down Again (Mono Single)、13. Sorcerer、14. Garbo、15. Cathouse、16. That’s Allright、17. Candlebright、18. Without You、19. Lola My Love (Live) 、20. Races Are Run (Live)、 21. Rhiannon (Live)

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