ヨーロッパからツアーを開始したグラハム・ボネット

グラハム・ボネット率いるGRAHAM BONNET BANDのデビュー・アルバム「The Book」がワールド・ワイドでリリースとなり、バンドはスペインからツアーを開始した。ネット上には早くも動画やセットリストがアップされている。掲載の映像は、11/3スペイン・マドリッド公演のファン撮影映像だ。バンド・メンバーは、アルバムにも参加しているコンラド・ペシナート(Gt)、ベス・エイミー・ハーヴェストーン(Ba)と、サポートのマルセロ・モレイラ(Dr)だ。アルバムに参加していたマーク・ゾンダー(Dr,FATES WARNING、WARLORD)は肩の治療の為このツアーには参加していないが、肩の状態が良く成り次第、バンドに復帰する予定だ。

日本のファンにも感動をあたえたグラハムの絶唱

グラハム昨年、今年とマイケル・シェンカーとの共演で来日しているので、ライヴで現在の歌声を聴いて、圧倒的なヴォーカルに感涙したファンも多いだろう。筆者もその一人だ。他のベテランシンガーが原曲通り歌えなくなる(それ自体は仕方がない)と、うまく歌い方を変えてしのいだり、大胆にキーを下げたり、イアン・ギランやオジーの様に人気曲でも潔くセットリストから削る場合もある。しかし、グラハムの場合は”Assault Attack“や”Suffer Me“といった全盛期でも難しかった思われる曲を、いまだにセットリストに据えて、真正面からぶつかるように歌っている。この姿に筆者は感動を覚える。

ベスト・オブ・グラハムのセットリスト

今回のヨーロッパ・ツアーでは、RAINBOW、MSG、ALCATRAZZ、ソロの名曲に加えて「The Book」からも”Into the Night“、”Rider“の2曲がプレイされている。バランス的には過去の曲が圧倒的に多いが、これはグラハムの様なベテランであれば仕方の無い事だ。ニュー・アルバムには”Dead Man Walking“、”The Book“などライヴ映えする曲が沢山あるので、今後、ツアーが進みアルバムの新曲が浸透する頃には、もう少し増えてもいいかもしれない。それくらい「The Book」は充実したアルバムだ。スペインからスタートしたツアーは次はイギリスへと続いていく。今年の暮れの誕生日には69才となるグラハムだが、10年前、20年前よりも精力的な活動をしてくれている。次の日本ツアーは是非ヘッドライナーとして来日して、また我々ファンを感動させてほしい!

文:Masashi Furukawa

セットリスト:11/4 Sala Totem, Villava, Atarrabia, Spain

1.Eyes of the World、2.All Night Long、3.S.O.S.、4.God Blessed Video、5.Will You Be Home Tonight、6.Night Games、7.Love’s No Friend、8.Into the Night、9.Suffer Me、10.Dancer、11.Jet to Jet、12.Desert Song、13.Rider、14.Since You Been Gone、encore:1.Assault Attack、2.Lost in Hollywood

出典:setlist.fm