エディ・ジョブソンのソロ・アルバムがスペシャル・プライスで登場

U.K.,ROXY MUSIC,CURVED AIRで活動したエディ・ジョブソン(Eddie Jobson)が85年にリリースしたソロ名義のアルバム「Theme of Secrets(テーマ・オブ・シークレッツ)」の2009年リマスター盤が廉価盤として再リリースされた。日本のタワーレコードの企画によるもので、国内盤が1,300円(税抜)というスペシャル・プライスだ。

シンクラヴィアを利用したオール・インスト・アルバム

エディ・ジョブソンのソロと言えば「Zinc-The Green Album(邦題:グリーン・アルバム/83年)」が有名で、こちらも廃盤となっていたものが昨年U.K.のバックカタログと共に再リリースされている。「Zinc-The Green Album」もジョブソンのソロであるが、通常のバンド形式であるのに対し、本作は完全にジョブソン一人で制作されたインスト・アルバムである。実際にはジョブソンはシンクラヴィアを利用して本作をレコーディングしている為、アルバムで聴ける音そのものはジョブソンの演奏ではない。ジョブソンがプログラミングをした自動演奏というのがより適切だろう。ドラムサウンドが入っている曲もあるが、全体的にはニューエイジミュージックの様な作風で、プログレッシヴ・ロックとも少し違う音楽性だ。その様な特殊なアルバムという背景もあり、他のジョブソン関連のアルバムと比較すると地味な存在となっている。

ジョブソンの多彩な音楽センスが発揮されたソロ・アルバム

しかしアルバムで聴ける曲は当然ジョブソンによって書かれており、決して無機質ではない深みのある美しい旋律に満ち溢れている。ロックだけではない多彩な音楽センスを持つジョブソンの天才的な音楽性が発揮された素晴らしいソロ・アルバムと言える。ロックを中心に聴いているファンも、こうした廉価盤で普段と違った音楽を楽しむのも良いのではないだろうか?